どこが「自立支援」?

昨日、障害者自立支援法の取材で、吹田市内にある「工房ヒューマン日の出作業所」を訪れた。19人の中途障害者が働く場である。脳卒中や交通事故で倒れ、半身麻痺、不随になった方々、難病で障害者になられた方などが、社会復帰する場として、昨年10月にオープンしたばかり。
ここでの事業は、弁当配送とクロネコメール便。近所の事業所から弁当の注文をとり、それを配送している部門と、クロネコから仕事をもらって、メール便を配達する部門の2つ。クロネコの経営者が、障害者作業所の活動に理解を示し、仕事をシェアしている。見直したぞ、クロネコ。
彼ら「労働者」の日当は、弁当部門で600円。メール便部門で500円。自分たちで作ったお昼の弁当を400円で買って食べるから、差し引き、200円または100円の「収入」。月に20日働くとして、月給は千円ないし「よく稼いでも」2千円。
現在の制度では、彼ら19人に「施設使用料」は発生しない。麻痺の残った身体で、一生懸命ニンジンを切ったり、ご飯をつめたり、そんな「労働」を楽しそうにこなしている。「ここでの生活が楽しい」とおじさんの笑顔が印象的だ。
今国会で成立予定の「障害者自立支援法」は、そんな彼らに、「施設利用料」を支払えと要求する。詳細は未定だが、工房ヒューマンの場合、その額約6000円。エッ、これでは5千円の持ち出しだ。
19人の通所者のほとんどが「家族の扶養」で、中には年老いた両親の負担が限界に来ている人もいる。親は高齢介護が必要で、子どもは障害者、という家庭になりつつあるのだ。
そんな人々からも容赦なく利用料を徴収する。「応益負担」という名目で。これでは「障害者『阻害』支援法」である。小泉首相の言う「改革」「痛みの分担」がこれである。
この法律が実施されると、確実に、このような施設に来れなくなる人々が増える。そうすると家にこもって寝たきりになる。精神的にも参ってしまい、病気が進行するかもしれないし、なにより、外へ出なければ精神的に参ってしまう。
「負け組」が殺されようとしている。

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このページは、nishitaniが2005年11月10日 12:34に書いたブログ記事です。

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