アンマンの自爆テロ

アンマンのホテルで同時自爆テロが起こり、多くの人が亡くなった。私は19日からそのアンマンにいく。一昨日、通訳のハリルに電話したら、「無事だ。町は平穏を保っている」とのこと。私はあのような高級ホテルには泊まらないので、もし今週からアンマン入りしていても、おそらく巻き添えにはならなかっただろうと思うが、それでも危険度が増している事は容易に想像できる。「アメリカ寄り」といわれるヨルダンであるが、西にイスラエル、東に(フセイン時代の)イラク、北はシリア(ここもバース党)に囲まれて、石油も出ないヨルダンにとっては「外交」で生き延びるしか手段はなかったのだと感じる。
実際、ヨルダンでは、パレスティナ問題をめぐって、内戦が生じた経験もあり、「戦争に巻き込まれない」知恵、のようなものがいやがおうにも発達していたと思う。
だから政府はアメリカ寄りだが、国民は違う。私がであった人の中では、パレスティナ、イラクにシンパシーを感じている人が圧倒的である。
東南アジアやアフリカなどと比べて、アラブは「実力がある」と感じる。国民生活はそれほど貧しくないし、教育水準も高い。社会的インフラも整っている。テロにあったホテルなどは、日本のそれと変わらない豪華さを誇る。
そんな「平和で繁栄した」アンマンが狙われた事に、ある種の危険性を感じる。同じアラブの国を「イスラム原理主義者」が狙うという構図。イギリスやアメリカの「帝国主義軍隊」ではなく、同じ言葉をしゃべる同じ民族が、同じ「労働者階級」を大量に殺害する。明らかに9.11テロ直後と、状況が変化してきている。
ブッシュの言う「テロとの戦い」がいかに、偽善に満ちたもので、「戦争の口実」に過ぎなかったが、イラク占領の失敗で、証明された。この「テロとの戦い」で、アラブにプレッシャーを加え続けていることが、ますます「自爆テロリスト」を養成する。アメリカは、むしろ「イラク占領を失敗させ」て、アラブを不安定な状態に追い込む政策を取っているようにさえ、感じてしまう。
その「遠大な謀略」にテロリストが乗っかっている、こう考える事はできないだろうか?
サウジが「民主化」されると困るのはアメリカである。膨大な石油利権で、アメリカ共和党政権とサウジ王家は癒着している。クエートもアメリカ・イギリスの支えなくしては、成り立たない国だろう。イラクやシリアを「悪の枢軸」と非難して、叩く。そしてその混乱状態を長引かせる。
米軍なしには安定しない、という「既成事実」が醸成される・・・。
アンマンで、実際に聞き取り調査をしてみようと思う。「普通の」アラブ人が、今、何を感じているかを。

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このページは、nishitaniが2005年11月12日 12:36に書いたブログ記事です。

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