自己責任3

3人が解放されたのは4月14日だった。当初10日に解放するといっていたのが4日もずれたわけだ。私は「小泉無責任発言」が、解放を4日遅らせたと思っている。解放後、3人のもとに外務省の職員がやってくる。郡山さんは「僕はモスクワ経由で帰ります」と言った。彼らは帰国便のチケットを持っていたのだ。
これは当然の話で、日本からイラクを目指す場合、当然直行便はないわけで、�ヨーロッパの主要都市〜アンマン、陸路バグダッド、�中東の主要都市〜アンマン、陸路バグダッド、が一般的だった。(今は、アンマン、空路バグダッドや、クエート、陸路バグダッドが多い)で、それぞれその「往復チケット」を持っているのが普通である。
「ダメだ。君たちは健康診断が必要だ。特別にチャーター便を立てるから、ドバイに飛んで病院に入りなさい」。政府職員はこう言って、3人はドバイの病院へ。この病院に警察がいて、「事情聴取」をされた結果、高遠さんらの心の傷が深まる。
日本政府は、その「特別チャーター便」代を請求した。イラクのテレビが「日本政府、人質たちに飛行機代を請求する模様」というニュースが流れた。通訳のワリード、ハリルたちは「お前の国は変わっているな。人質という被害者から金を取るのか?」と質問する。「そうみたいやね。イラクやヨルダンではどうなる?」
「国を挙げて人質を守ろうとする。金なんて絶対に請求しないよ」。との回答だった。
当時、フランス、イタリア、韓国、アメリカ・・・次々と外国人が拘束されていった。解放された人もいたし、残念ながら殺害されてしまった人もいた。裏の話では「あそこの国は多額の身代金を払ったようだ」などの噂も流れていた。でも「人質に金を請求」したのは、日本くらいではなかっただろうか?
最後に私自身の「自己責任」である。これほどイラクの治安を悪化させた人々、つまりブッシュやブレア、小泉首相の自己責任が一番追及されるべきであることはいうまでもないが、確かに私には「自己責任」がある。しかしそれは私自身に対してであって、私の家族に対してではない。仮に拘束されでもしたら、家族のもとにメディアが張り付き、政府は「またやりやがった」というような対応で、「救出」にあたるだろう。メディアの洪水のような「取材」も、政府との「対応」も、それら批判の対象は、「私自身」に対して向けられるべきであると思うが、実際には、私と私につながる人々、にも及んでしまうだろう。
高校野球で、その学校の誰かが喫煙していたら、野球チームごと「出場停止」になるような国である。日本は「組織」として処罰を考える国で、肝心の「個人」が見えてこない。「自己責任」であるから、きっちりと
「個人的」に責任を追及せよ、といいたい。渡航するのは「個人」であって「家族」ではない。
イラクに行こうとするたびに、このようなことを考えながら行かないとダメな国になった。なんとも窮屈な国である。

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このページは、nishitaniが2005年11月16日 12:40に書いたブログ記事です。

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