戦争の民営化

バグダッド空港を警備していたのは米兵ではなく、ネパール人とフィジー人であった。危険箇所はPMC(民間警備会社)が守っている。戦争が民営化されているのだ。そのあたりのことを毎日新聞に書いたので、それを紹介したい。

みなさんに質問を一つ。イラクに駐留する軍隊の中で最大の部隊は米軍。その数10数万人程度といわれている。では次に大きな部隊は?イギリス軍?韓国軍?自衛隊?
正解は、イラク全土に2〜3万人はいると言われる「傭兵たち」だ。
齊藤昭彦さんがイラクで殺害された。彼の所属する会社は「ハートセキュリティー社」。こうした会社は英語でPMCと呼ばれている。Pはプライベート(民間)、Mはミリタリー(軍事)、Cはカンパニー(会社)で、つまり民間軍事会社である。
世界に300社はあるといわれる民間軍事会社であるが、ほとんどは子会社、つまり親会社の系列に組み込まれている。例えばサウジアラビア駐留米軍の軍事訓練などを担当しているのはビンネルといって、その親会社はカーライルグループである。このカーライルは「世界中の大金持ちが利潤を求めて儲かる企業に投資する」という会社で、その役員は父ブッシュだ。つまりブッシュ大統領が戦争を始める→戦争が民営化される→父ブッシュが大もうけする、といった構図。
このカーライルには世界でもっとも裕福な国の一つ、サウジアラビアの大金持ちも出資している。サウジの大金持ちの名は「ビンラディン」という。つまりこういうことになる。「ブッシュ一族とビンラディン一族は、9.11テロの前から、同じ会社の役員と大株主だった」。「テロとの戦い」「正義の戦争」の裏側は金にまみれている。
ハリバートンという石油関連会社がある。この会社もやはり民間軍事会社を持っている。KBRという子会社で、イラク戦争における米軍への給食サービスや油田の消火などを行っている。ハリバートンの元役員はチェイニー副大統領である。いったいチェイニー副大統領はイラク戦争を強引に推し進めたことで、どれくらいのお金を手にしただろうか…。
バグダッド空港2階ロビー。黒人の傭兵がもっとも危険な場所を警備している。声をかけてみた。「どこから来たの?」「フィジーだよ」「フィジーって、あの太平洋の?」「そう。この空港を警備してもう8ヶ月さ」「空港の前は?」「モスル(イラク北部の町)にいた。あそこはひどかったよ。ミサイルは飛んでくるし、道路には仕掛け爆弾。同僚が亡くなった。ここかい?空港の中は安全だが、ここまで来る道中が危険だね」。
あまりにもたくさんの米兵が殺されていくので、危険な場所は「傭兵たち」が警備している。イラクには大量破壊兵器はなかった。ブッシュ大統領の「先制攻撃」で、たくさんの罪なき人々が殺された。た結果、ブッシュ大統領に関係する人々が大儲けした。殺された人の命は戻らない。そして今、イラクで殺し合いをしているのは、貧しい国からやってきた傭兵と、石油と仕事を奪われた貧しいイラク人である。こんな「不正義な戦争」に協力してはならない、と感じる。

以上が記事の内容だ。この記事では触れなかったが、もう一つの「黒幕企業」がある。それはベクテルという世界最大のゼネコンで、イラク戦争後の復興事業受注率ナンバーワンの「死の商人」である。ベクテルの元役員はシュルツ。レーガン時代の国務長官だった男である。ベクテルは神戸空港や関空の工事にも絡んできている。ブッシュやチェイニーを操っているのは、このあたりの「軍産複合体」なのかもしれない。

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このページは、nishitaniが2006年1月 7日 12:00に書いたブログ記事です。

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