アンマンの病院で

昨日、イラク南部の都市バスラで、大規模な戦闘があり、武装勢力(モクタダ・サダルに率いられたマフディ軍)がイギリス軍のヘリを撃ち落し、戦車を3台焼き討ちにしたようだ。イギリス軍とマフディ軍、互いにたくさんの人が殺されたようで、こちらのテレビでは、ヘリが墜落した現場で、踊って喜んでいるバスラの人々の様子が何回も放送されている。
同じくイラク南部の都市カルバラで自動車を使った自爆テロがあり、21人が死亡したと伝えている。さらには首都バグダッドで51人にのぼるスンニ派の人々が首をきられて殺されているのが発見されたとも。これらのニュースは日本でも報道されているだろうか?
イラクは完全に「内戦状態」に突入してしまった。おそらく51人もの人々が殺されたバグダッドでは、スンニ派が報復攻撃を仕掛け、シーア派の人々が殺されていくだろう。
これから現地入りをめざすのであれば慎重の上にも慎重に行動しなければならない。
さて、今日は午前中にアンマンのキングフセインがんセンターを訪問した。中東では一番信頼できるがん専門の病院だ。ここで、モハマド君の治療費の残り1500ドルを支払う。彼は容態が悪くて、通院から入院へと切り替わり、面会はできなかった。
ロビーでエレベーターを待っていると、「俺の娘を助けてくれないか」と話しかけてきた男性。バグダッドでは治療できないので、有り金をはたいてアンマンまで出てきたという。
傍らにはうら若き女性がたたずんでいる。
「名前は?」「シェイマ・アブドラ・ヤドッサリー(21歳)。5ヶ月前にがんと診断されました」「白血病ではなくてがんなんですね」「首筋に腫瘍が。20歳までは健康で、病気一つしたことがありませんでした」
彼女の父によると、政府からは何の援助もなく、ここアンマンで治療を続けようと思えば、莫大な金額が必要だと言う。バグダッドの中心街に住んでいるが、娘のがんは劣化ウラン弾によるものと考えている、とも。
おそらく彼女は甲状腺がんだと考えられる。アンマンで治療を続けないと、おそらく助からないだろう。今のイラクではがん患者を救うことはできない。21歳といえば、人生のうちでもっとも健康で、楽しい時を過ごせたはずだ。劣化ウラン弾との因果関係を証明するのは難しいが、あまりにも患者が多すぎる。先の「内戦状態」とあわせて、イラクでは大変な事態が進行している。

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このページは、nishitaniが2006年5月 8日 11:22に書いたブログ記事です。

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