嘆きの壁で嘆く首相を、嘆く

ベイルートは美しい街だった。目前には地中海。背後には雪を抱いたレバノン山脈。中東では珍しくキリスト教徒が多い国なので、レストランで堂々とビールやワインが飲めるのがうれしかった。アンマンからの深夜便でベイルート国際空港に降り立つとき、しばし、漆黒の海とネオンのコントラストに、見とれてしまったほどだ。
その国際空港がイスラエルに爆破され、ベイルートは戦火に包まれてしまった。ヒズボラのイスラエル兵士拉致問題に端を発した、この「一方的な空爆」は、イスラエルがかねてからレバノンを狙っていた、シナリオ通りの行動だと思う。
ヒズボラのロケットがイスラエルに命中し、イスラエル兵も何人か死んでいる、と報道されているが、大雑把に言うと、イスラエル人1人死ぬのに対し、レバノン人は10人、それも民間人が多く含まれていて、圧倒的な火力の差による、「一方的な空爆」であることは明らかだ。
そして現在アメリカは拒否権を発動し、イスラエルを擁護している。アラブ人たちは、連日このニュースをどんな気持ちで見ているのだろうか・・・。
たまたまなのか、小泉首相は、イスラエルとアラブの関係が極度に緊張している時期に、イスラエルを訪問し、エルサレムの嘆きの壁で、キッパ帽をかぶりユダヤ式に「嘆いてみせた」という。
なんというアホな首相か!イスラエルが空爆でアラブの民間人を殺しているときに、嘆きの壁で嘆いてみせるとは・・・。エルサレムの嘆きの壁は、世界中からの観光客でごった返しているが、じつは壁の前で嘆くユダヤ教徒はごくわずかである。人々はその嘆いているユダヤ教徒を遠巻きにして見物、壁を前に記念撮影し、「あーエルサレムに来たのね」と満足して帰っていくところなのだ。
ユダヤ教徒でもない首相が、ユダヤの黒装束で、ユダヤ式に嘆いてみせる・・・。お前は高校の修学旅行気分か!と、突っ込みたくなる。いっそのこと国会に嘆きの壁を作って、「こんな首相を選んでしまった日本人の責任」をみんなで嘆いてみたらどうだろう。
アラブ人たちは日本のことが好きだった。しかしこの首相の行動を見て、幻滅した人はおそらく数知れず。
靖国参拝もしかり。不必要なことをあえてやらかして、相手を刺激、激怒させる。「9月の任期切れまでじっとしておれ」と、叫びたくなるが、次は安部になりそうだ。安部は小泉と同等、あるいはそれ以上に「世界を知らない」ようだ。この国は世界の笑いものになろうとしているのだろうか・・・。

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このページは、nishitaniが2006年7月28日 11:18に書いたブログ記事です。

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