レバノン戦争の裏側にあるもの

今回のレバノン戦争、つまりイスラエル対ヒズボラの戦いの発端は、ヒズボラが「捕虜交換」を目指して2人のイスラエル兵を拉致したからだった。いままではイスラエル、ヒズボラの間に「暗黙のルール」のようなものがあって、こうした場合、限定的な戦闘にとどめ、互いが拉致した捕虜を交換する、というものだったようだ。
しかし今回は違った。全面戦争に突っ走ったのだ。特にイスラエルは7月12日から34日間の戦争で、約1200人の民間人を虐殺し、停戦数日前には120万発のクラスター爆弾を南部レバノンにばら撒いた。もちろんヒズボラもミサイル攻撃でイスラエルの民間人を殺害した。
どうしてここまで悲惨な戦争に突っ走ったのだろうか?特にイスラエルは国際世論を敵に回し、結果としてヒズボラに「敗戦」してしまった。一方ヒズボラは国内の世論を味方につけ、今後大きく躍進しそうだし、ヒズボラの背後にいるイラン、シリアは相対的に国際的地位を引き上げることになった。
つまり単純にいえば、敗者はイスラエル、そしてその背後にいるアメリカで、勝者は「悪の枢軸」であるイラン、シリアだということになる。
実際、この戦争でハリリ元首相の暗殺事件は、いっぺんに吹き飛んでしまい、犯人と疑われるシリアは息を吹き返した様相だ。もちろんイランも「もしアメリカが攻めてきたら、ヒズボラを使ってイスラエルに攻め込むぞ」という「カード」を見せつけることができた。
アメリカとイスラエルにとって損ばかりに見えるこの戦争の真の目的は?
私はここでも「石油ではないか」と考える。イスラエルがレバノンに攻め込むことによって原油価格が上がる。現在の原油市場は、莫大な投機マネーが動いていて、価格を吊り上げたり、下げたりすることで莫大な金額が動いている。イラクやレバノンで戦争が起きれば、これは誰が考えても原油価格は急騰する。
もし「究極のインサイダー」で、米政府の内部に「イスラエルに戦争をさせる」ことをいち早く知っている人間がいて、その人物が石油先物市場の投機筋に情報を流したとしたら・・・。投機ファンドは「買い」に走り、莫大な利益を上げるだろう。停戦の情報をいち早くつかめば、逆に「空売り」して、利潤が転がり込む。往復で儲かる仕組みだ。
もちろん、軍産複合体もほくそえんでいる。イスラエルが地対地ミサイルでばら撒いたM42クラスター爆弾は古いタイプである。つまり「武器の在庫一掃」ができたし、更に改良を重ねた爆弾が売れ始めるだろう。
原油が上がると、産油国サウジやロシア、イランは空前の「好景気」になる。サウジは王室が仕切る独裁国家で、有り余る金でアメリカの武器を買う。戦闘機などを購入する場合、王室にバックマージンが10数パーセントも入ると言われる。だからサウジ王室とブッシュは「ただならぬ関係」であるし、サウジ王室からテロリストのビンラディンへ金が流れる。ビンラディンはその金でテロを行い、アメリカはテロに怒るフリをして、「テロとの戦い」を口実に、ずっと戦争ができる、という仕組みだ。
イスラムとユダヤが「文明の衝突」で闘っているのではない。その裏にあるものを見ないと、戦争の本質を見誤るのだ。

トラックバック(0)

このブログ記事を参照しているブログ一覧: レバノン戦争の裏側にあるもの

このブログ記事に対するトラックバックURL: http://www.nowiraq.com/mt/mt-tb.cgi/59

コメントする

このブログ記事について

このページは、nishitaniが2006年10月 5日 11:01に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「クラスター爆弾の被害者治療に立ち会う」です。

次のブログ記事は「関テレと朝日放送に出演」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

Powered by Movable Type 4.01