そんな彼が、昨年日本から送金した募金で、毛布と子どもたちの学用品を買って、それを戦争孤児や未亡人たちに配ってくれたのだ。ノートや鉛筆などが入っているビニール袋には「まいどおおきに」と書かれていて、粋な計らいを感じさせる。イラクでは治安悪化のために、子どもたちが安心して学校に通うことのできない状態が続いている。フセイン時代の教科書では教えられないため、新たな教科書が必要だが、援助体制がないので、子どもたちは手書き、またはコピーの教科書で勉強している。
戦争でインフラが破壊されたため、電気は一日1~2時間しか通電せず、きれいな飲み水が不足し、家を失った人が約120万人を越えるといわれるイラクにおいて、「この冬を越せるか」というのが重大テーマである。地球温暖化現象は、「夏は異常に暑く、期間は短いが冬はかなり寒くなる」ようで、先日バグダッドで100年ぶりに雪が降った。
つまり毛布の需要が高まっており、学用品とあわせてタイムリーな支援になったと思う。
悲惨な結果をもたらしたイラク戦争から、もう5年が経過しようとしている。私は開戦記念日にあたる今年の3月20日には、イラク国内に入って、取材をしようと考えている。
最近はイラク戦争について、ほとんど報道されなくなってしまったが、実際の戦争は今日も続いており、アメリカの空爆やアルカイダのテロ、スンニ派・シーア派の内戦などで、罪なき人々が殺され続けている。
先の国会では海自について「インド洋で給油を続けるかどうか」ばかりが議論されていたが、その陰に隠れて「空自がクウェートからバグダッド空港まで、人員・物資を輸送している」ことについてはほとんど触れられなかった。空自が運んでいるのは、ほぼ間違いなく米兵と武器弾薬であろう。
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ンド洋での活動は「無料の洋上ガソリンスタンド」と揶揄されたが、実は日本は「無料の米兵専用タクシー」を続けているのだ。米兵を戦闘地域に送り続けることは、明らかな「戦争協力行為」である。憲法に違反していると思われるこうした自衛隊の行動を、イラク人たちはどんな思いで見つめているのだろうか。イラクやアフガンで、今必要なことはアメリカへの軍事支援ではなく、病院や学校への人道支援だろう。現地の人々に密着し、生の声を拾ってきたいと思う。

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