スレイマニアで日本人女性と食事する
3月12日の夜、スレイマニアのレストランで日本人女性奥村さん一家と食事を共にする。なんと奥村さんは、この3年間をスレイマニアで過ごしている。声楽家として、こちらの大学で音楽を教えたり、楽譜のないクルド民謡の採譜をしている。
夫のアマンジさんとはドイツで知り合って結婚されたのだが、クルド地域の治安が安定してきたので、アマンジさんの故郷、スレイマニアでの生活が始まったのだそうだ。
アマンジさんにキルクークのことについて聞く
豊富な油田を抱えるキルクークを、クルド地区に組み込むか、アラブ地区に所属させるか、で住民投票がありますね。
「そうです。こちらの憲法で、キルクークの帰属については、住民投票で決める、となっています。しかし3年も経過しましたが、まだ住民投票は行われていません」
住民投票をすれば、どうなりますか?
「間違いなくクルドが勝つでしょう。人口の大多数は、クルド人ですから。
しかし下手に住民投票をやってしまうと、その結果に満足しない宗派や民族が武装蜂起し、内戦になったりしませんか?
「あなたは旧ユーゴのような事態を想定しているのですね。確かに住民投票直後は、小競り合いはあるでしょう。しかしキルクークはボスニアと違って、小さな町に過ぎません。国を揺るがすような内戦にはつながらないでしょう。それと例えばトルコマンは、実はクルドへの帰属を望んでいるのです。もしアラブに帰属させると、スンニ派、シーア派に次いで「石油の取り分」は3番目ですが、クルドになれば、クルドの次、2番目になりますからね。
でもトルコマンは、本国トルコの圧力で、クルドとは戦うのではないですか?
「確かにごく一部、トルコからの命令で動くグループがいますが、ここはイラクですよ。現実な実利を考慮して動くトルコマンが多数派です」
油田やパイプラインを守っているのは、PMC(民間軍事会社)ですか?
「そうです。米軍より安上がりな予算で済みますから、PMCが守っています。スレイマニアのホテルにも、たくさんのPMC関係者が宿泊していますよ。キルクークから休暇でここにやってきているのです」
そう、ここには見るからに「たった今まで戦争をしてきた」ような大男が、多数いる。彼らは英語をしゃべっているし、コンバットブーツを履いている。多くはスキンヘッドだったりするので、一種異様な雰囲気をかもし出している。
滞在中に、何とか油田&パイプラインの取材ができればいいのだが。
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