治安は安定?それとも混乱?

3月13日、本日はイラクのタラバニ大統領の補佐官で、日本で言えば経済産業相にあたるアブドラ・サイードさんのインタビューを行った。

アブドラさんによると、ここスレイマニアでは、経済が急成長しているらしく、一目見てわかるように、新しい高層ビル、高速道路、橋、学校などが次々と建設されている。なぜこの地域かというと、それは一にも二にも治安。バグダッド以下、イラクの各都市はまだまだ政情不安定で、企業にとって投資リスクが大きすぎる。スレイマニアは治安が安定しているし、政府は石油収入を見込めるので、各国からの投資が殺到しつつあるのだ。

この地に投資している一番手は、トルコ。北イラクではPKK(クルド労働党)とトルコ軍が、戦闘状態に入っているのだが、「戦争と投資は別」のようである。
次に多いのが、オランダ、ドイツなどのヨーロッパ勢。そしてバーレーン、UAE、カタールなど湾岸諸国が続く。
日本はといえば、2つの企業がスレイマニアにやってきたが、やはりまだこちらに乗り込んで事業を開始しているまでには至っていない。

アブドラさんは「どうして日本企業が来てくれないのか。ここは十分安全だ。条件としてPUK政府の国づくりに協力してくれること、どんな目的でこの地域で事業を進めるか、事前に相談してくれること、をクリアしてくれれば、企業の事務所費、通信など諸費用は、PUK政府がお膳立てするとのこと。さらには税金も無料だそうだ。
私は「イラクの子どもを救う会」の募金で、医薬品や医療機器をこの地区に持ち運んできているが、医療メーカーがこの地区に進出してくれればいいのになぁと感じる。
ここには、ハラブジャの毒ガス攻撃、劣化ウラン弾の汚染、クラスター爆弾の被害者などがたくさん住んでいるので、医療技術の発達した日本企業の出番であることは間違いないのだ。

アブドラさんのインタビュー後、「スレイマニア・パレスホテル」へ。3日前、このホテルの玄関で身体に爆弾を巻きつけた自爆テロリストと、爆弾を積んだ自動車を携帯電話で爆発させるという、2重の爆発が起こった。
パレスホテルの窓という窓は粉々に砕け散り、エントランスホールの天井が崩れ落ち、ウエルカムと書かれた扉が転がっている。爆発地点から約20メートル、すさまじい威力だ。

この自爆テロで、2人が死亡、29人が重軽傷を負った。8名はいまだに入院中。なお、自動車爆弾を爆破させた容疑者は、まだ捕まっておらずスレイマニア市内に潜伏しているといわれている。
ちょうどあと一週間で、イラクは開戦5年目を迎える。この5年間でイラクは大量の血を流し続けた。いつまでこの泥沼を続けるつもりか?比較的治安の安定していたスレイマニアで起こった事件。やはりアルカイダの犯行とされているが、この種の事件が、憎しみの連鎖を助長させ、さらなる泥沼にはまり込んでいく。通りには以前にも増して警官の姿が目立つ。はたしてイラクの人々は3月20日をどのような気持ちで迎えるのだろうか?

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このページは、nishitaniが2008年3月14日 13:47に書いたブログ記事です。

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