ハルツームの避難民キャンプを訪問

6月11日未明、東京から電話。スーダン・ハルツームの空港で飛行機事故があり、多数の死者が出ている、との連絡。あわててテレビをつけると、アルジャジーラが特集している。
死亡したのはイラク人2人とスーダン人40人ほどで、200人以上が病院に運ばれているとのテロップ。深夜、タクシーを飛ばして空港に向かおうとするが、ホテルのスタッフが「行っても無駄。現地周辺は物々しい警戒で、中に入れてもらえない」とのこと。それにこの時間、タクシーも走っていない。

仕方なく朝までテレビを見て、その後、ユニセフへ。

ハルツーム・ユニセフ事務所の職員と一緒に、「ジャバル・アウリア」という国内避難民キャンプを訪問。
「ジャバル・アウリア」は、1992年にできて、以後避難民が急増し、今では2万5千人を数える巨大なキャンプ。泥で作られた家が延々と続く。本日は、このキャンプの中で「HIVエイズ予防教育」が行われているので、そこを取材する。
それにしても広大なキャンプだ。泥でできた避難民の家のほかに、やはり泥でできた店、学校、診療所。
ロバが青いドラム缶を運んでいる。「あれが給水車だ」とスタッフ。水道がないので、このようにロバできれいな水を運んでいる。電気はなく、自家発電のジェネレーターがうなっている。そんな中、「青空エイズ教室」が開催されていた。
正面にはユニセフが作成したポスター。「HIV陽性になっても、普通に生活できますよ」「栄養あるものを食べて長生きしましょう」などとアラビア語で書かれている。大事なのは「差別されないこと」。サハラ以南で爆発的に増えているエイズ。このキャンプは南部スーダンからの避難民が多いので、結構陽性の人が多いそうだ。「怖がらずに健康診断を受けましょう」というポスターも。
こうしたポスターを見せながら、エイズ予防教育をするのかなと思えば、そこはアフリカ。まどろっこしい話ではなく、歌と劇でエイズ予防教育。現地語なので、何を言っているのかは分からないが、歌の最後に抱き合ったりしているので、「陽性でもずっと友達だよ」などというメッセージなのだろう。

エイズ教育の現地責任者は18歳の女性。彼女はスーダン西部、ダルフールからの避難民だ。「エイズのことを知らずに感染する人が多い。ちゃんと知らせて、予防教育をすることが大切だと思ったので、責任者を引き受けた」とのこと。
内戦で家や家族を失い、貧困のどん底に突き落とされたあと、エイズが襲う。12歳の少年がいる。将来何になりたいかと尋ねると、「医師になりたい。医師になって家族を助けたい」との答え。希望の灯は、まだ失われていない。


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このページは、nishitaniが2008年6月11日 22:02に書いたブログ記事です。

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