バグダッドに入る

しばらくこのブログを更新しなかったので、「いったいあいつは何をしているのだろうか?」と、ご心配をおかけしたかもしれない。一昨日からバグダッドに入っていたのである。
バグダッドに入るかどうか、かなり迷った。治安は改善の方向に向かっているとはいえ、連日のように自爆テロが起こっている。恐ろしいのは政治的なグループではなくて、身代金目的の誘拐、物取りなどである。

バグダッドへ飛ぶ前日、「お前の顔は一目で外国人とわかる。俺たちよりずっと危険だ。犯人たちは携帯電話で連携して襲ってくるぞ。そうなると防ぎようがないんだ」。通訳のファラドーンが、電話をかけたり、銃を構えたり、いつものようにオーバーなゼスチャーで、いかに危険かを熱弁する。かなり鬱陶しい。もっとまともな、落ち着いた通訳に換えたいなと、痛感する(笑)。

「そんなことは分かっている。問題はいかに潜り込むかだ」と熱弁をさえぎるが、ことあるごとに止めにかかる。
で、妥協の産物として、①バグダッド宿泊は一日のみ。②ピンポイントで取材し、さっとその場を立ち去る。③街の様子は車の中から撮影し、外へでない。ことを条件に、バグダッド空港から街の中まで、PUK(クルド愛国者同盟)の護衛がつくことになった。

制限された中ではあるが、私にとっては4年ぶりのバグダッドだ。10月11日早朝、スレイマニアからバグダッドへ飛ぶ。乗客は地元市民と、おそらく民間軍事会社(PMC)の傭兵っぽいグループ、そして私とファラドーン。
空港で飛行機を待っていると、ファラドーンの妻から電話がかかる。かなり心配している様子。昨日はほとんど眠れなかったとのこと。ファラドーンには1歳8か月の息子がいる。二女宝と同い年だ。「俺には3人の子どもがいる。お前にも3人いるだろ?無理をしないように頼むよ」。何の因果で俺までバグダッドに行かねばならないんだ、と悲しそうな目で、私をみつめ、ついには「今から引き返してもいいんだぜ」。

「今さら引き返せるか、アホ」と「提案」を一蹴するが、確かに油断禁物、安全第一だ。
8時半に飛ぶ飛行機がなぜか遅れて9時半のフライト。さぁ飛行機が飛ぶ。もう引き返すことはできない。バグダッドまでは1時間のフライトだ。

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このページは、nishitaniが2008年10月13日 21:36に書いたブログ記事です。

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