戦費をかけずに戦争する方法

昨日深夜のNHKでアブグレイブ刑務所の虐待事件の真相に迫るドキュメントが放映された。あの事件からもう4年も経過してからであり、いささか「気の抜けたビール」のようであるが、ともかく「地上波で」放送したことは(NHKとしては)素晴らしいことだった。

ドキュメンタリーの中で、民間軍事会社のことが触れられていた。虐待に携わったのは、米軍だけではなく、民間軍事会社社員の監督のもとに行われていたという事実だ。おそらく民間軍事会社が「主犯格」なのに、「軍人でない」から、罪にも問われず、軍法会議にもかけられない。イラク戦争はおそらく歴史上最も民営化の進んだ戦争であると思われるが、こうした傭兵たちの犯罪をあぶりだすとともに、「民営化の背景」に迫ることが必要だ。

詳細はDVD「ジャーハダ」の、第三章「戦争の民営化」にまとめているのだが、なぜ戦争が民営化されるかというと、①ペンタゴンが握る国防予算を、ネオコンたちが自らの出身企業(ハリバートンやベクテルなど)に振り向ける一つの手段 ②米兵が殺されればシンディーシーハンさんのような「息子を殺された母」が奮闘し、反戦世論が大きくなるが、ネパール兵や南ア兵ならブッシュ政権は安泰 ③(表向きは)戦費の節約 ということが挙げられる。

今後、肝心なのは③であろう。イラク戦争で100兆円も使ってしまったアメリカは、金融破たんもあり、破産状態である。これからの戦争は、「少ない予算で、獲得物を多く」しなければならない。次の標的はイランかシリアあたりだ。
現在、原油価格は下がっているが、今後緩やかに上昇し2050年ごろには1バレル200ドル程度になる予測もある。アフリカや中東、カスピ海沿岸に眠る油田は押さえておかねばならない。しかしイラク戦争のような「金食い虫」もやっかいだ。

どうするか?戦争を民営化するより安く済む方法…。

それが「自衛隊と韓国軍を使うこと」だろう。

これならタダで、米兵も殺されない。自・公与党が、なぜあれほどたたかれても、3分の2条項を使ってテロ特措法にこだわるのはなぜか?小沢民主党が、「国連決議あれば自衛隊派遣可能」と主張するのはなぜか?
自・民どちらの政党も、それぞれの方法で「アメリカの要望」を受け入れようとしているからだ。テロ特措法やイラク特措法の採決のとき、小沢民主党党首が「反対せず、欠席」するのはなぜか?

それはアメリカに対する彼のメッセージではないのか?

つまり「アメリカ従属度」に関しては、自民も民主もそう大差はない。アメリカにおいて、共和も民主も、「戦争中毒国家アメリカ」を支えている、という点と、日本の「二大政党制」は酷似しつつある。次の選挙で共産と社民が伸びて、「第三極」が形成されることを願う。

 

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このページは、nishitaniが2008年11月20日 12:24に書いたブログ記事です。

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