大仏跡に登る

バーミヤンの東大仏跡 ブログ用.jpg

6月17日午後2時、地雷撤去作業を取材後、いよいよ大仏跡に向かう。まずは西大仏、ビッグブッダから。西大仏の足元から頭上を見上げる。その高さ55メートル。もちろん世界一背の高い仏像だ。「すごいなー」と感心して見上げているとすぐに首が痛くなる。

2001年にタリバンがこの大仏を爆破したので、今は右足と左足の一部が残るのみ。かつては「大仏の体や頭」だったものが瓦礫になり、アフガン情報文化省がその「瓦礫」を保存している。

西大仏の足元には、いくつかの洞窟があって、その洞窟一つ一つに仏像が彫り刻まれ、美しい壁画が残されていた。ご丁寧にもタリバンは、洞窟の仏像をことごとく破壊し、壁画を消し去っている。
スンニ派イスラムでは「偶像崇拝」を禁止している。したがってキリストの壁画や仏像は存在するが、「アッラーの像」や「預言者ムハンマドの肖像画」は基本的に存在しない。タリバンは、そうした「偶像崇拝の禁止」思想で、こうした貴重な文化遺産をことごとく破壊したのだろう。「過激なイスラム原理主義」によって人類の宝物とでもいうべき貴重な文化遺産が破壊しつくされたのは返す返すも残念だ。

西大仏から東へ約800メートルほど歩くと、スモールブッダ、東大仏跡が現れる。この東大仏跡は今、足場が組まれ、これ以上崩れ落ちないように補強作業中。
東大仏の足元には狭い階段があって、上部に登れるようになっている。
狭くて急な階段を上る。階段を10数段上ると、踊り場が現れ、踊り場と大小さまざまな洞窟がつながっている。洞窟にはやはり仏像後と壁画跡。ご丁寧にもことごとく破壊している。

階段を上ること20分、やっと東大仏の頭上に出た。高さ38メートル。ビデオカメラを回しながら、頭上の狭い通路を歩く。高所恐怖症の人でなくても、かなり恐ろしい状況。
東大仏の目の辺りからバーミヤン渓谷を見下ろす。アフガンでは珍しく、緑にあふれ、農作業する人々が点のような存在。大仏様は何千年も、こうした人々の営みを見つめ続けていたのだ。

「『タリバンが破壊した』と報道されているが、破壊したのは『パキスタン・タリバン』だ。アフガン人は全て、このバーミヤンの遺跡を愛していた。パキスタンはアフガンが平和になって、強国になっていくのを阻止したいので、アフガンの象徴のような、この大仏を破壊させたんだ」とは、通訳のシャムスディーン。「タリバンの名を騙って」。シャムスディーンは世界の報道と現実は違うんだと主張。

いずれにせよ、貴重な仏像は失われたが、バーミヤン渓谷にそびえるこの遺跡群は一見の価値あり。早くアフガンが平和になって、多くの観光客が戻ってきてほしいものだ。

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このページは、nishitaniが2009年6月19日 12:47に書いたブログ記事です。

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