ゴルジュマちゃんとノーベル平和賞

ゴルジュマちゃん ブログ用.jpg 写真は、アフガン郊外の避難民キャンプで撮影。彼女は米軍の空爆で左手をもぎ取られた。


10月8日に発生した自爆テロ現場取材後、カブール郊外のモジュリーン避難民キャンプを再訪する。6月に軽トラック一杯分の食料を配布したところだ。今回は①今一番何が必要か②パニックにならずに全ての避難民に届ける方法は?という調査と、③新たな犠牲者の取材、である。
前回同様、キャンプに入るや否や、「俺の家族は満足に食事できていない」「母親が寝込んでいる」「うちのテントにはまだ屋根がない」など、黒山の人だかり。その中に「娘が空爆にあって重傷を負った」という男性あり。彼のテントへ。
ワキールさん(40歳)はヘルマンド州に住んでいた。一年前、「村にタリバンがいる」と米軍機がワキールさんの家を空爆、10人の家族を失った。
その爆撃で9歳の少女、ゴルジュマちゃんの左腕がもぎ取られた。彼女は1ヵ月半入院し、肩の部分から左手を切断した。
「学校には行っているの?」「うん」と恥ずかしそうにうなずく。右手には腕輪が数個。失った左手の分まで腕輪をはめているのだろうか。
「勉強は楽しい」と聞くも、小さな声で「うん」とうなずくのみ。父のワキールさんが「学校には喜んで行っているよ」とフォロー。
学校といっても、UNICEFと書かれた大きなテント。そこで文字を習っているのだ。将来は先生になりたいと語る彼女。10人の家族と娘の片腕を失ったワキールさん一家に、米軍の補償はない。誰がタリバンで、誰が普通の農民だったか、についての調査もない。
「殺され損」「やられ損」である。ゴルジュマちゃんの片腕を奪った米軍。その米軍を指揮しているオバマ大統領に、本日ノーベル平和賞が出た。なんというブラックジョーク。
通訳は「ノーベル戦争賞がふさわしい」とつぶやいた。
実は本日は、私の娘の命日である。彼女は18トリソミーといって、先天性の遺伝子異常で、心臓に穴が開いて生まれてきた。娘が死んだとき、私たち家族は悲嘆にくれたが、ワキールさん一家の嘆きは、いかばかりであっただろうか。
ゴルジュマちゃんは目のパッチリした美人なので、父親は、彼女の結婚式を楽しみにして育ててきたという。こちらの結婚式は派手で、一族の名誉がかかっているのだ。
そんな家族の幸せを一瞬にして奪ってしまった空爆。オバマ大統領へのノーベル平和賞は偽善の塊である。


トラックバック(0)

このブログ記事を参照しているブログ一覧: ゴルジュマちゃんとノーベル平和賞

このブログ記事に対するトラックバックURL: http://www.nowiraq.com/mt/mt-tb.cgi/260

コメントする

このブログ記事について

このページは、nishitaniが2009年10月 9日 22:16に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「ホテルのすぐそばで自爆攻撃発生」です。

次のブログ記事は「豪華マンションとテント生活」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

Powered by Movable Type 4.01