カンダハールにて 1

破壊された ホテル ブログ用.jpg 写真は、カンダハールで唯一、警備が行き届いていた「コンチネンタル・ゲストハウス」。クリスマスイブに破壊された。


アフガンにおいて、「テロとの戦い」を強化するオバマ大統領の方針のもと、カンダハール空港は、今、拡張工事の真っ最中である。この空港は軍民共用なので、ここが拡張されるということは、それだけ空爆の回数が増えるということだろう。
無人機プレデターはここから飛んでいる可能性が高い。

空港周辺には、コンクリート壁で囲われた建設会社。ベクテルやハリバートンなどの米国軍事企業が、おいしいところを抜いて、現地企業に丸投げしているようだ。
前回は「西神文化センター」と大書されたミニバスに現地の人々と一緒に乗り込んで、カンダハール市内に向かったのだが、ハッキリ言ってこれは危険。乗客の中にタリバンと通じている人物がいるかもしれない。
運よく国際赤十字の車に乗せてもらって、カンダハール市内へ。

空港からカンダハール市内への道は、別名「IEDロード」「死のロード」と呼ばれているほど、テロが頻発する。特に恐いのが路肩爆弾、IEDである。
死のロードを10分も走ると、前方からイギリス軍の戦車と装甲車が合計6台通過。英国軍が通過するまで、一般車は路肩で待機。全てが軍隊優先である。
さらに5分ほど走ると、今度はカナダ軍が前方から接近。1台、2台…全部で13台の戦車が通過していった。

カンダハール市内に入ると、さすがに軍隊の車列より普通の車が多くなる。昨年10月に宿泊したコンチネンタルゲストハウスへ。カンダハール市内で、警備が行き届いているのはこのホテルだけなので、是が非でもここに泊まらなければならないのだが、様子がおかしい。入場ゲートのところに兵士が二人、銃を構えているのは前回と同じなのだが、何とホテルの窓という窓が壊れているではないか。

09年12月24日、クリスマスイブの午後7時。ロバに荷車をつないで、行商している男がホテルの前にたたずんでいる。不思議に思ったホテルの兵士が、「何をしているのだ」と声をかけた。
大爆発音がとどろいた。男を尋問しようとした2人の兵士、通行人などが12人殺され、ホテルは破壊された。
それから17日。私たちが「泊めてくれ」とやってきたわけだ。

客は私と通訳のイブラヒーム2人だけ。ビニールで応急措置をした窓から隙間風が入る。厨房が壊れているので、満足な食事もない。インターネットも切れている。
そんな「かつての5つ星ホテル」に宿泊する。
このホテルにはジャーナリストや民間軍事会社の社員が宿泊していたので、外国人を狙ったタリバンの犯行なのだろう。クリスマスイブに自爆したのが象徴的だ。

ホテルに見覚えのある顔が入ってきた。昨年10月に取材したカンダハール警察署長である。「このホテルの周囲を壁で囲ってくれないか」と警察署長。「そうしたいのは山々だけど、コンクリート壁で囲うお金がないんですよ」とはホテルオーナー。両者の駆け引きがしばらく続きそうだ。

何はともあれ今回も無事にカンダハールまでたどり着けた。明日は早朝からミルワイズ病院で取材。日が沈めば外へは出れないので、窓ガラスのないホテルで一晩を過ごさねばならない。冷たい夜風が吹き込んでくる。毛布を3枚重ねにして眠るとしよう。

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このページは、nishitaniが2010年1月13日 22:30に書いたブログ記事です。

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