娘の墓へ行く

墓の前で祈る母.jpg 写真は、墓の前で祈る母親シモーグルさん


6月4日、今日は金曜日なので大多数の企業、商店はお休み。カブール市内は相変わらず軍と警察が多くの検問所を設け交通を遮断しているが、車の通行量が少ないので、それほどの渋滞はない。
昨日同様、パルワン・セ避難民キャンアプへ。先月娘を亡くしたシモーグルさん夫婦と一緒に、娘さんのお墓へ。

日中は日差しが厳しく、暑いくらいのカブールであるが、夜は急速に冷え込む。この冬、そんな寒い夜をテントで過ごしていた2歳半の娘は、ずっと体調が良くなかった。5月初めの夜も、やはり寒かった。娘の容態が悪くなった。さすがに病院へ連れて行った。しかしすでに娘が重篤な状態であったことと、両親がお金をいっさい持っていなかったことで、病院は受け入れを拒んだ。
そして娘はこの世を去った。

娘の遺体をここに埋葬するために、1500アフガニー(約3千円)が必要だった。知人に借金して、ここに埋めた。この夫婦には3人の子どもがいるが、今は2人になってしまった。
こんもりと地面が盛り上がり、そこにただ何もかかれていない石が置かれているだけ。3千円のお墓では墓石に名前を刻むこともできない。

墓の前で父は立ち上がって、母はうずくまってイスラム式の祈りを捧げる。アフガニスタンは、アジアで一番平均年齢が低い国であるが、それはこのように乳幼児がたくさん死亡するからである。
祈りを終えた父親に100ドルを手渡す。これで知人の借金を返せます。父は100ドル札を大事そうにしまい込んだ。

「もう少し早く病院へ運び込めたら」と後悔しているのだろうか?それとも毎日の生活で精一杯で、娘の死はこのまま遠い記憶となっていくのだろうか?
パルワン・セ避難民キャンプから、車でわずか20分くらいの距離にあるこの墓地に、はたしてこの両親は、今後何回墓参りができるのだろうか?

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このページは、nishitaniが2010年6月 4日 22:15に書いたブログ記事です。

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