200Q年の街から
写真はカブールに浮かぶ「二つ目の月」
アフガンの首都カブールは、他の都市と比べて治安が良いのであるが、さすがに夜間の外出は控えなければならない。
したがって夜はホテルの一室にこもっているのであるが、こんなときこそ読書の時間。
今、村上春樹さんの1Q84第3巻にはまっている。アフガンの夜のために、あえて日本で読むのを控えて持ってきた宝物である。
小説では天吾と青豆だけに、二つ目の月が見える。マザとドウタ。通常の1984年から、青豆が1Q84年にワープして、ずっとそうなのだ。
実はこのアフガニスタンにも「二つ目の月」、ドウタが出ている。
米軍が住民監視用に飛ばしている不気味な無人飛行船である。
アフガニスタンでは1979年以来、もう30年以上戦争が続いている。私がアフガンに足しげく通いだしたのは、2009年。もしかすると私は200Q年のアフガニスタンに迷い込んでしまったのかもしれない。
頭上に浮かぶ「二つ目の月」。そして不条理に殺されていく人々。過剰な警備、自爆テロ、そして執拗な米軍の空爆。
アフガニスタンのドウタたちは、手足を奪われ、焼かれ、そしてがんに冒されている。
小説では「空気さなぎ」がドウタを守ってくれるのだが、カブールには「空気さなぎ」は存在しない。ドウタたちは戦争という名の悪に「露出」し、深い傷を負っている。
そして根本的に違うことは、1Q84年はフィクションであるが、200Q年は、現実に進むこの地球上での出来事である。
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