サバイさんと物乞いの女性

物乞いの女性と子ども.jpg 写真は物乞いで生活するテルジャームさん

10月12日、早朝よりサバイ・ライラさんの自宅を訪問。彼女は10数年前(正確な年数は記憶していない)高校への通学途中にヘクマティヤルのロケット弾で両足を失った。その後結婚して2人の子どもを設けたが、2年前の自爆テロで夫が死亡、現在はおばあさんと、2人の子ども、合計4人でひっそりと暮らしている。
サバイさんの家は、いわゆる「貧民街」の狭い一室。細い路地を入り、急傾斜の階段を上がった2階の一部屋。車椅子生活なので、近所の弟がいない時は、彼女を誰も持ち上げて車椅子に乗せ、外へ出してくれる人がいないので、外出は不可能になる。
お風呂はどうしているのか?おばぁさんがタライにお湯を張って、狭い台所で身体を拭く。
排泄は?やはり台所で、小さな空き缶に用を済ませる。
「私も65歳で、肩や腰が痛くなった。娘の世話をするのも限界だよ」。おばあさんが痛そうに肩をさする。
「16歳の娘さんが両足を失った時は、どんな気持ちでしたか?」
「もうショックで、何で娘がこんな目に遭わないといけないのかと…」。白いスカーフで涙を拭うおばぁさん。
「近所の人は?近所の力持ちが、サバイさんを担いで外へ出してあげればいいのに?」
「弟とおばぁさん、娘しか無理なんだ。この国では、男は他人の女性に軽々しく触れない。アフガンのしきたりでね」。通訳のサバウーンが、介護できない理由を説明する。
「そんなアホな。足がない人が困っていたら助けてあげたらいいやん」。
「残念だが、この地域には古いしきたりが残っている」
65歳の祖母と、足のない母親、そして10歳の娘と4歳の息子。思わず娘に「早く大きくなれよ。そしてお母さんを介護してあげてや」と声をかける。娘は無言でうなずいた。

アフガンでの女性の地位は低い。街をドライブしていたら、おいしそうな果物が並ぶ市場があったので、そこで店主を冷やかしつつ、買い物していたら、ブルカをかぶった女性が「お金をください」と近寄ってくる。カブールでは普通の風景であるが、サバイさんの事例が強烈だったので、すこしインタビュー。
「名前と年齢は?」
「テルジャーム、35歳と思う(自分の年齢を正確に知らない人が多い)」
「なぜ物乞いしているの?」
「夫が障害者になったから」
「なぜ?」
「3年前、自爆テロに巻き込まれて」
「その時、夫は何をしていたの?」
「アフガン軍でパトロールしていた。片足を失った」
「子どもは?」
「5人、長男は交通事故で死んでしまった」
「後の4人は学校に行ってる?」
「男の子2人は行っている。(娘はいけない)」
テルジャームさんは、毎日この場所で、道行く人からお金を恵んでもらって生活しているのだが、一日に200アフガニ(400円)もあればいい方。子どもを養うには、全く足りないが、この国で女性が働くのは難しい。
物乞いするテルジャームさんの横で、少年たちはガムを売り、車の窓を磨く。絶望的な貧困層に、日本の50億ドルが届けばいいのだが。


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このページは、nishitaniが2010年10月13日 01:14に書いたブログ記事です。

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