カブール初日

2011年2月5日現地時間午後4時。無事カブールに到着。気温7度、思ったより暖かい。周囲の山は雪で覆われているが、カブール市内はぬかるみの道。小粒の雨がしとしとと降っている。通訳のサバウーンと再会、しばし抱擁。
いつものホテルにチェックインすると、以前ボーイだったお兄さんが受付に座っている。出世したのだ。サバウーンと若干の打ち合わせ、その後ISAF軍にメールで連絡。さっそく取材の申し入れをする。
街へ出る。2週間前、ヒズベ・イスラミの武装勢力に襲われ、爆破されたスーパーマーケットへ。このスーパー、私も愛用していて、ここでひげ剃りやシャンプーを買ったこと数回。5人が殺され10数人が重傷を負った。スーパーは鉄の扉が下ろされ、周囲にアフガン軍が張り付いている。ISAFプレスパスを見せて撮影を始めるも、上官が出てきて「撮るな」と妨害。アフガンでは良くあることだが、警戒心の強い軍人が現れると、その時点でおおっぴらに撮るのはあきらめざるを得ない。
上官の目を盗み、周囲の人々にインタビュー。「スーパーの前で両替商をしている。あの日もここで商売していたよ。犯人は店の中で銃を乱射し、そして自爆した。子どもを含め5人が殺されたよ」。
この国では簡単に人が殺されてしまう。ただ買い物をしていただけなのに、「なぜ撃つのだ?」と疑問を抱きながら、人々は殺されていった。数百m離れたスーパーに、金属探知期の入り口がセットされている。自衛しなければやられるという危機感。ヒズベ・イスラミは、ヘクマティヤルが指揮する軍閥で、反政府勢力。タリバンとは違うが、この国を混乱させるべく、各地で暴力行為に及んでいる。「この国は敵ばかりだ」とサバウーン。
やがて日がどっぷりと暮れて闇が訪れる。歩行者は極端に少なくなり、大通りを走る車も家路を急ぐ。週末の夜8時。日本なら「さぁこれから楽しむぞ」という時刻にゴーストタウンと化すカブール。
さて、長旅で疲れた身体に、この夜を冒険しながら外で過ごすのは、少しきつい。ホテルに帰って寝ることにしよう。

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このページは、nishitaniが2011年2月 6日 01:58に書いたブログ記事です。

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