病院訪問後に爆弾テロ

背中に腫瘍 赤ちゃん ブログ用.jpg


2月8日、今日は朝からインディラガンジー子ども病院へ。ハビーブ医師が門の前でお出迎え。握手と抱擁の後、さっそく病室を見せてもらう。
「あまりにもやけどの子どもが多いので、やけど病棟を新たに作った。もうすぐオープンするよ」とのこと。がんの子ども、先天性奇形の子どもも急増していて、ベッド数が足らないし、薬も不足。日本の支援金は、ぜひこの病院に回すべきだ。

新生児集中治療室へ。重篤な赤ちゃんが保育器で眠っている。「この子の背中を見ろ」。ハビーブ医師が赤ちゃんの包帯を外すと、そこには巨大な腫瘍。イラクでも数多く見てきた症例。生後2日目、おそらくそれほど長くは生きられないだろう。窓側の1つの保育器に2人の赤ちゃん。生後16日目の赤ちゃんの背中にはやはり大きな腫瘍が張り付いている。隣で眠るのは10日目。こちらは生まれつき内蔵が飛び出している。にわかには信じがたい光景。

やはり無肛門症の赤ちゃんが2人。腸を体外に出して排出させているが、いつまでこのような状態で保育器に入っていなければならないのだろう。

別の病室には水頭症の子ども。生後2ヶ月頃からにわかに頭がふくれあがった。
「水頭症と、小頭症の子どもも急増している」とハビーブ医師。

ハビーブ医師には、早急に実現したい計画がある。それは全アフガニスタンの医師を集めた研究会議。このよなアブノーマルな子どもをどう治療するのか、各地で似たような症例が広がっているので、手術の方法や術後のケアなど、研修が必要なのだ。
ただしこうした会議を開くには、障害がある。それは「劣化ウラン弾の問題」に結びつくので、米軍とカルザイ政権が、良く思わないのだ。この国では政治的な言動は、タブーである。困難な中で何ができるのか?帰国したら、ぜひ政府の方々と相談したい。

インディラガンジー病院の取材後、ホテルで明日の相談をしていたら、「たった今、爆弾テロがあった」との情報が飛び込んできた。
現場へ急行。大慌て警官を乗せたトラックが走っていく。後をついていけば難なく現場についた。

テロがあったのは旧市街、ディストリクト1と呼ばれる大通りに面した繁華街。数台の車が破壊され、背後のビルの窓が吹き飛んでいる。野次馬たちが集まって、騒然とした雰囲気。サバウーンにカメラを渡してとりあえず立ちレポ。ナンバープレートが吹き飛んでいたので、ガソリンまみれのプレートを拾い上げて、二言三言。そんなことをしていると、民間軍事会社(PMC)の社員数名が、バラバラと防弾車から下りてきた。彼らはM16ライフルを持ち、群衆に「立ち去れ!」と叫んでいる。アフガン警官もいるのだが、完全に現場の指揮は軍事会社の社員たちが行っている。この国では正式な国家権力(この場合は警察)よりもプライベートカンパニーの方がエライのだ。
軍事会社に遅れること数分、ようやくアフガン軍が到着した。「もっと早く来いよ、PMCに負けてるやないか!」とツッコミを入れたいほど。
この頃になって、ようやく現地のマスコミも到着して、ダリ語で何やらインタビューしている。インタビューのシーンを後ろから撮影。サバウーンの通訳「俺たちは普通の市民だ。なぜ無実の人間を巻き添えにするのか!」。

米軍もイヤだが、アルカイダ系のテロも全然支持されていない。

犯行に使われたのは、道路脇に設置された仕掛け爆弾。いわゆるIEDだ。携帯電話でリモートコントロールして爆破させる。アフガンやイラクでは、このIEDが一番恐ろしい。自爆と違って、犯人は生きながらえ、また次の機会をうかがうことができる。

一見するとカブールはずいぶん平和になったかのような雰囲気を醸し出しているが、まだまだ混沌は続く。治安を守らず、病院や貧困層への救済もなく、汚職にまみれたカルザイ政権。しかしこの国ではエジプトのように人々は立ち上がらない。いや、立ち上がれなくされている。政権の背後にアメリカがいて、その支配が人々の生活を苦しめているのは、エジプトもアフガンも、そして日本も同じ。ちょっとずつしか変わらないのだろう。しかし少しずつでも変えなければならない。

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このページは、nishitaniが2011年2月 9日 01:01に書いたブログ記事です。

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