殺された警官 残された家族 そして無罪放免の米兵

警官殺害 ブログ用.jpg 写真は殺害現場の付近を警備するアフガン警察官 彼らもいつこのような目に遭うか分からない


2月17日夕刻4時にカブール到着。ホテルに帰ってISAFからの情報をチェックすると、何と17日の早朝、カブール市内のアメリカ大使館付近、「マスード交差点」で、米軍車両がアフガン警官をひき殺したとの記事。ホテルから車で10分ほどのところだ。

「サバウーン、行くぞ」。現場へ急行。「マスード交差点」は、故マスード将軍の肖像画が大書された塔がそびえ立っているので、すぐに分かる。この辺りは米軍基地、大使館、厚労省など重要施設が建ち並んでいるので、警備兵と交通整理兵、警官がうじゃうじゃいる。ちなみに米大使館と米軍基地は地下通路でつながっており、その地下通路は空港まで延びている。つまり「テロリストに襲撃されないで」空港まで行けるようになっているのだ。

マスード交差点付近で車を駐車し、警官と交渉。
「日本のメディアだ。撮影させてくれ」「許可証は?」。こうした場合、ISAFメディアバッジを見せるのだが、彼らは英語が読めないので、許可証かどうかが分からない。サバウーンが口頭で「TVだよ、TV」。
何とか許可を得て、現場を撮影。基地につながる鉄の門扉の前に砂が溜まっていて、そこに車の轍と数カ所の血痕。8時間ほど前の血が点々とインクを落としたように連なる。
 血痕 ブログ用.jpg

「米軍の装甲車の無謀な運転によって、警官が殺されたのに、カルザイ政権は米兵を捕まえもしないし、非難声明も出していない。これが植民地の実態だ」。サバウーンがカメラの前で怒りの声明。
彼は昨年の日本平和大会に参加して、沖縄や佐世保で同様の事件が起こっていることを知っている。
「アフガンも日本も同じだよ。でも日本では、こんな事件があれば、人々はデモをするだろ?ここでは誰も何も言わないんだ」。

おそらく装甲車にひき殺された警官の家族は、収入源を奪われ、妻は物乞いで一家を支えるしか方法がなくなるのだろう。子どもたちは学校へ行けなくなるかもしれない。
「ひき逃げした米兵は、今頃どこかのバーで飲んでるかもしれない。逮捕も、裁判も、刑罰も、損害補償もない。殺され損だ」。

残された家族の中から、ニュータリバンが生まれたとしても、誰がそれを批判できるだろうか?
先日の自爆テロも、背景にはこうした理不尽な現実がある。米軍基地はどこにあっても、この種の悲劇を引き起こす。沖縄もカブールも、同じ問題に直面している。問題は、これを「他人事」として見過ごすか、次は私たちがやられるかもしれない、と立ち上がるか。基地問題は、私たち自身の問題なのだ。

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このページは、nishitaniが2011年2月18日 19:45に書いたブログ記事です。

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