革命前夜のバーレーン ②

次々と集まる広場 buroguyou .jpg 写真は、軍と警官隊が立ち去り、次々と人々が集まりだした真珠広場


2月19日午後、負傷したデモ隊が運び込まれるサルマニア病院へ。驚いたことに、病院の周囲には数千人の群衆。負傷したデモ隊の人々が救急車でここに運び込まれてくるので、その人々を励ますために集まってきている。
「ピース」という看板を持つ人、昨日殺された犠牲者の写真を掲げている人、バーレーンの国旗を打ち振る人など、人人人…。
サイレンを鳴らして救急車が入ってくる。地鳴りのような抗議と励ましの声。圧倒されつつ、人々の表情を撮影。
私のビデオカメラを見て、「中に入って負傷者を撮ってくれ!」と叫ぶ人。医師が来て、こっちに来い!と病室に案内される。

野戦病院状態。催涙ガスを吸い込んで昏睡する人、酸素吸入器で応急処置されている人、ゴム弾が左胸にあたり、苦しそうに顔をしかめている人…。
そんな負傷者の中に、一輪の花をベッドに置いて横たわる若者。20歳の学生で、本日の集会に参加。軍に対峙している時、花一輪を手渡した。その後、軍と警察は「ピース」という看板を持っている人々に、ゴム弾と催涙弾を、花のお礼として「お返し」した。
「僕たちは石さえ持っていない。武器を持っていないことをアピールするため、両手を広げていたんだ。そしたら撃ってきた」。

病院の外では、うなりのような群集の声がこだましている。
すると、巨大なスピーカーからのニュースとともに、一斉に大きな拍手。
「革命だ!」「勝ったぞ!」と叫ぶ人々。何があったのか?
たった今、真珠広場から軍と警官隊が退場をはじめたと言う。
ゾロゾロと真珠広場に向かう群衆。私もタクシーで広場に急行。交差点では、喜びのクラクションが鳴り響き、みんな私のカメラに向かってVサインしている。

広場へ。驚いた。昨日を上回る数万の群衆。中央ステージには、昨日殺された青年の遺影と抗議の横断幕。舞台に向かって左側に、黒いヘジャブをかぶった女性たち。男性と女性の居場所がロープで区切られているのは、いかにもイスラム圏らしい。
主催者が、「警官隊は逃げていったのだ。私たちは勝利した」と叫ぶと、再び地鳴りのような大歓声。鳥肌が立った。革命は近いかもしれない。
この模様は、この日のCNNはじめ欧米メディアでもトップニュースだった。これだけ報道されると、軍も実弾を撃てなかったのだろう。ゴム弾に切り替えていたため、多数の負傷者を出したが、幸いに死者は出なかった模様だ。

さて、一夜明けたバーレーンの首都マナマ。大通りには人影はなく、車のみが通過している。本当に民衆が勝利できるのか?エジプトのように、何とかこの独裁政権を倒してほしい、と願いつつ、今から真珠広場に向かう。

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このページは、nishitaniが2011年2月20日 18:40に書いたブログ記事です。

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