革命前夜のバーレーン ③

真珠広場 20日集会 ブログ用.jpg

写真は一夜明けて「お祭り広場」と化した真珠広場


2月20日午前、やはり真珠広場へ。軍と警察の姿はなく、代わりにバーレーンの国旗と、「peace」「We want freedam」「No Sunni No Shea All Baharani」などの看板、昨晩泊まり込んだテントの群れ…。人々は踊り、叫び、歌っている。一昨日まで、ここは「虐殺広場」だったが、今や「お祭り広場」に変わっている。
広場の中央に即席ステージが出来上がっていて、ご丁寧にもそのステージ正面に、「メディア用のやぐら」まで。
スンニでもシーアでもない ブログ用.jpg


まずはステージに上がらせてもらい、民衆革命の熱狂、エネルギー、興奮を撮影。ちょうど本日から先生たちが全国一斉ストライキに入ったので、教師集団の代表が集会に入ってくる。割れんばかりの拍手と、アラビア語で「あなたたちに感謝します」とシュプレヒコール、そしてやはり「ダウン、ダウン、ハミド!」。
犠牲者の写真で入場する人々 ブログ用.jpg


ひとしきり広場を撮影した後、中心部にあるこの広場から車でわずか15分、米海軍基地に向かう。
「着いたわ、あの建物がそうよ」。タクシー運転手、ラティーファが指差す方向に、茶色のゲート。ゲート前で米兵がたむろしている。遠景を撮影。ダメ元で、ゲート前の米兵にプレスカードを見せて撮影許可を願うも、当然撮影はNG。仕方なく、やはり遠くから。
基地のすぐそばに、おしゃれな飲食店が並んでいる。米兵相手のレストラン、ナイトクラブなど。レストランの玄関に、フィリピン男性がいたので、少しインタビュー。
「このストリート、どれくらいの店があるの?」
「左側に18店舗、向こう側に8店舗あるよ」
「中華レストランまであるね」
「フィリッピン料理もあるよ」
そんな立ち話をしてるときにも、フィリピン女性が煙草を吸いながら、通り過ぎていく。沖縄の「社交街」を思い出す。
白人が通りかかったので、ちょっと尋ねてみる。
「アメリカから?」
「そう、海軍で働いているよ」
「何年ぐらい?」
「03年からずっとここで。もう8年目になるよ」。
急いでいるので、と彼は立ち去っていったが、イラク戦争の年からこの海軍基地で働いているのだそうだ。
「よく米兵を乗せるわよ。2年前、19歳の若者が『これからイラクに行く』と言ってたし、イラク帰りの米兵が『これがイラクのお札だよ』と見せてくれたこともある。この地区は米軍関係の人ばかりよ」。ラティーファは、「ここに米軍基地があって当然」のように語る。当面の敵は国王であって、国王の背後にいるアメリカについては、その関係が見えていないのか、あきらめているのか分からない。
集会に参加したバーレーン人にも尋ねてみたが、「ダウンダウン、ハミド」とは叫ぶが、「ダウンダウン、アメリカ」と言う人は少なかった。

チュニジアから始まった中東革命は、エジプト、イエメン、バーレーンなどに波及し、今やリビアが内戦状態に入りつつある。20世紀に完成させた植民地主義が、今、音を立てて崩れ始めている。この民衆革命の背後にあるのは、差別と貧困である。一泊30万円もする7つ星ホテルに泊まり、豪華ヨットでクルージングするアラブ人もいれば、一日数ドル以下で懸命に働くアラブ人もいる。そんな不公平を隠すために、スンニだ、シーアだ、キリスト教徒だと、あえて国民を分断してきた、その怨嗟のエネルギー。それが一気に吹き出したのだ。
今後も、バーレーンの行方は世界の注目を集めるだろう。なぜなら、バーレーンで革命が成就すると、一番困るのが盟主サウジである。サウジが壊れると、一番困るのがアメリカだ。おそらく次の金曜日、イスラムの休日に、大きな出来事が起こるだろう。
「今回がラストチャンスだ。これを逃すと、国王を倒すことはできない。俺たちは一生差別されて生きていくしかない」。シトラ市で聞いた男性の叫び。
ドリカムではないが、「決戦は金曜日」。ネット、アルジャジーラ、新聞、あらゆる媒体に注目して、この決戦を見守りたい。(了)

トラックバック(0)

このブログ記事を参照しているブログ一覧: 革命前夜のバーレーン ③

このブログ記事に対するトラックバックURL: http://www.nowiraq.com/mt/mt-tb.cgi/380

コメントする

このブログ記事について

このページは、nishitaniが2011年2月22日 16:02に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「写真で見る… 続き」です。

次のブログ記事は「明後日25日(金)MBS午後6時半頃よりVOICEで」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

Powered by Movable Type 4.01