今回の取材を振り返って アフガン編

2月4日から17日のアフガン取材、今回のテーマは「貧困と寒さ」、「女性と子ども」だった。
カブールでは大雪が降り、身体の芯まで凍える中での撮影だった。ヒートテックの下着に、セーター、オーバーと着込んでいても、10分もすると、手足がしびれてくる。そんな雪の中を靴下もはかずに子どもたちが歩いている姿を見て、「いつまでこの状態で放置するのか?」と、政府はもちろん、国連に対しても、「不作為の犯罪」を感じるのだった。

滞在期間中、2週間で2回のテロがあった。米軍が撤退を始める7月までは、「米兵を狙えるのも7月までだ!」と、仕掛け爆弾や自爆テロが繰り返されるだろう。そして撤退を開始した8月以降は、タリバンやヒズビ・イスラム、ハッカーニグループなど、「反政府勢力の主導権争い」で、やはりテロが頻発するだろう。

貧困のどん底にあえぐ人々に、支援が届いて、希望が見えるようになれば、テロは収まるだろうが、果たして事態はそううまく進むかどうか…。

今回の旅では、ヘラートまで飛べたのが収穫の1つだった。ヘラート市内は治安が安定しており、飛行機で行くのならば、ほぼ問題なく入れることが分かった。同じような病院の規模ながら、カブールのインディラガンジーに比べて、ヘラート州立病院は、設備もクリーンで薬もまぁまぁ足りていた。カブールの方が予算規模は大きいはずだが、首都であるカブール市内の病院は、より貧困だった。これは州知事の姿勢の違いだろう。カブールでの病院予算は賄賂に消え、ヘラートのそれは、ちゃんと病院まで回っているという印象を受けた。カブール州知事を交替させねばならないのでは?

雪の中のアフガン軍訓練で、米兵による「ロケットランチャー発射訓練」を取材した。携帯用コンピューターで位置を確定させ、相手の場所を「東経O度、緯度×度」で射撃する。
ハイテクだ。病院には家畜に噛まれて大けがをした子どもがいる。戦場では携帯コンピューターでGPS射撃が行われている。
一般家庭では江戸時代のような話がまかり通っていて、戦場では21世紀の驚くべき技術が披露されている。
「逆でしょう、金のかけるところが!」と突っ込みたくなる。

焼身自殺のアブサナちゃん。17歳にして自殺せざるを得なかった「部族の掟」「娘の身売り」。こちらも時代が19世紀で止まっているかのような錯覚すら覚える。「大嫌いだった」。嫁がされそうになったのは親族の男。娘の自殺を目の当たりにして、両親は何を考えただろう?

最後に自爆。身体に爆弾を巻き付けて爆発させるのだから、当然胴体も手足も、頭もバラバラに吹き飛ぶ。頭ではその理屈は分かっているつもりだが、やはり現実を見ると…。大きく見開かれた目、黒こげの髪、ぽっかり空いた口。その瞬間、何か叫んだのだろうか?
日本の特攻隊も「天皇陛下万歳!」と叫んだのではなく、「お母さん!」と叫んで突っ込んでいったと聞く。自爆犯の脳裏にあったのは? 果たして…。

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このページは、nishitaniが2011年2月27日 18:58に書いたブログ記事です。

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