ベンガジの状況 6

祈る兵士 ベンガジ.jpg

写真はベンガジの「自由広場」で祈る兵士


5月23日午前11時、ベンガジのジャラ病院へ。遺体安置室から「新リビア国旗」にくるまれた棺がおごそかに出棺する。「ラーイラーハイッラーラー(アラー以外に神はなし)」兵士たちの野太い声に押されるように、棺がピックアップトラックに乗せられる。出棺の合図か、死者への弔いなのか、一人の兵士がカラシニコフをぶっ放す。一発、二発…。
棺を乗せた車は「自由広場」に入場。この頃には棺を取り巻く人々が三々五々集まってきて、「にわか決起集会」の様相。
殺されたのは19歳の義勇兵。この「革命」前までは高校生だった。一昨日、アジュダビーアという町の郊外で、カダフィー軍のスナイパーに狙撃された。
同世代の兵士に「その時の様子」を尋ねる。
「あいつは俺から2mの所に立っていた。すると遥か彼方から銃弾が飛んできて額に命中したんだ。カダフィー軍は最新式の兵器で襲ってくる。俺たちには旧式のカラシニコフしかないのに」。
祈りが始まる。人々はメッカの方角にひざまずいて、その後地面に頭をこすりつけるようにして礼拝する。
棺をかつぐ兵士たち.jpg

群衆とともに墓地へ。棺を持った兵士に、大群衆が続く。アラーアクバル!(神は偉大なり)の声とともに、やはり銃声がパンパンパンと鳴り響く。遺体を埋葬し、最後は地対空砲の連射。亡き人を弔う方法はその国の文化や宗教によって違うが、涙は共通。おそらく親戚の若者、同級生たちなどが抱き合って泣いている。
お葬式が終わり、墓地から外の国道へと続く道に、先ほどの銃弾の薬莢が転がっている。19歳の若者は、この薬莢に入った銃弾で殺されたのだ。カラカラカラ。小指くらいの小さな薬莢を蹴飛ばすと、薬莢はコンクリートの通路を門の所まで転がっていった。

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このページは、nishitaniが2011年5月24日 03:27に書いたブログ記事です。

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