橋下前知事と維新の会 マニフェストを嗤う

唐突だが、「維新の会マニフェストに対する疑問」を順次考えてみたい。一人の独裁者が大阪という自治体を破壊しそうな勢いなので、それを止めないとダメだ、という危機感からこのブログを書いた。

① まず1 大阪維新の会の理念と将来ビジョン について
「大阪市では4世帯に1世帯が年収200万以下で暮らしている。天王寺区ですら(489万円)、東京23区と比べると、22位の荒川区と23位(最下位)の足立区の間。街全体が貧困化している。
⇒ 街全体の貧困化は、様々な総合的要因があるはず。「2重行政だから」という「ワンイシュー」で貧困化したわけではない。むしろ東京都と比較することは非常に恣意的。東京は首都なので、本社機能が集中し、法人市民税などが都に落ちる。地方滅びて中央栄える、という図式なので、ならば北海道や東北、沖縄など、地方都市で同規模自治体とも比べるべきであろう。

② ①であげた「貧困化」を、ONE OSAKAで解決 としている。
⇒ これなどは、まさに「子どもも嗤う」解決方法。指揮官が一人になれば、大阪市民は豊かになるのか!何を根拠にして言ってるんじゃい、このドロガメ!とツッコミが入りそう。
「区長を選挙で選び、議会を置き、そこに権限と財源を与える特別区で地域主権」と言う。確かにそうなれば、より身近な議員と区長が生まれ、きめ細かな住民サービスが実現するかもしれない。つまりこれは、「区長と議員を増員する」ということだ。あれっ?維新の会は、議員定数を減らし、公務員を減らすのではなかったの? 一方で、公務員や議員数の削減を声高に唱えながら、一方でかなりの数の「税金で食べる方々の増員」になる。いったい目指す方向はどちらなのか?
※ つまり、問題は「住民サービスの中身」なのであって、サービスを充実させるためには何が必要か、どうすれば税収を上げることができるか、公共で行った方が良い部門と民間委託した方がいい部門は何か、そんな議論を経て、大阪市と区役所制度がふさわしいのか、それとも「都」にして「特別区」にする方がいいのか、「器の議論」が続くはず。維新の会は、まず「器から決めるべき」という「上から目線で押しつけ」なのだ。

※ 「地域主権というのは、住民ニーズを的確に捉え、災害対策を含むきめ細かなサービスを…」。
おいおいおーい。「災害対策を含めたきめ細かなサービスを」するため、咲洲のWTCに庁舎を移し、地震で真っ青になり、莫大な税金を無駄に支出した「災害対策の責任者」はどこの誰やねん! 大阪府議会という「地域主権」の代表者たちが2度も否決したのに、強引に移転して、開き直っている人物とその会派が、「災害対策」「きめ細かな住民サービス」を口にしている。ほとんどブラックジョークだ。

③ 2 「強くて豊かな大阪」について
⑴ 鉄道と高速道路の整備
⑵ 淀川左岸線整備と第2京阪&阪神高速湾岸線を結ぶ
⑶ 高速アクセス鉄道で関空まで30分
⑷ 北ヤードを森に。リニア新幹線の駅を作り、なにわ筋線で関空とつながる。リニア新幹線で東京へ。
⑸ 阪神港の一元管理で、西日本の輸出拠点
⇒ すべてゼネコンとそれに貸し込む大銀行が大喜びする計画。それこそ財源はどうするの?今後日本は人口減少時代。バブリーな開発は全て失敗している。
おそらくこれを強引に進めれば、「大阪破産パート2」である。WTC、ATC、O-CAT、フェスティバルゲート…。どれだけの税金を浪費してきたのか。ええかげんに目を覚ませ!と叱りたい。

④ 3自立する大阪
 「東京と大阪の中央区を比べ、区長を公選制にしたら、区民生活に係ることは区で決める。地域振興会も市役所の顔色を気にすることはない。数百億円の予算は区で決めることができるようになる」。
⇒ 現在の「地域振興会」が、大阪市役所の顔色を気にしながら、仕事をしているのは本当か? 維新の会のどのような調査で、これが判明したのか?決めつける根拠は?
区長を公選制にしたら、さも「民主的」に物事が進み、万事解決するような「お気楽マニフェスト」である。 
私は今回橋下知事が提唱する特別自治区と同じ人口規模、30万人の吹田市に住んでいる。もちろん吹田市では市長と議員は公選制である。議会定数は36だ。「民主的」に物事が進んでいるかどうかは、様々なモノサシで測る必要がある。吹田市の「地域振興会」が市の顔色をうかがっている、と感じる人もいるだろうし、そうでない人もいるだろう。
それより現在の大阪市議会議員の定数は86。8つの特別区にする計画だが、吹田市並の議会を置けば、36×8=288名。参議院並の大所帯だ。
いやそうではなく、86の定数を単純に8で割って、それぞれ議員を10〜11にする、というのなら、逆に吹田市や豊中市が大阪都に組み込まれる計画なので、各市36ほどある議員定数を、一挙に3分の1以下に激減させねばならない。
(そうならなければ、大阪都の中で不公平が生じる)これは堺市などを含めて、他の自治体にとっては、「余計なお世話」ではないだろうか。

⑤ 4 優しい大阪
「企業に儲けてもらい、従業員の給料を上げる。上がった税収で保育所を増やすとか、給食費を安くするとか、(中略)、高齢者や障がい者、女性に優しい地域社会を」
「ただし国保、介護保険、生活保護などのセーフティーネットは広域(都)が担い、平等で安心できる制度を完備」
⇒ 子どもや高齢者、障がい者、女性に優しい大阪をつくる、という点では全く意義なし。
でもドーンセンター(男女共同参画センター)の廃止を突然言い出したのはどこの誰?救急救命センターの補助金をバッサリ削って、命を危うくしたのはどこの誰?私学助成を減額する、と最初に打ち出して、高校生に抗議されると、「嫌ならお前たちが政治家になって変えろ」と言い放ったのはどこの誰?教育基本条例で、子どもと先生を果てしない競争に追い立て、学校現場を崩壊させようとしてきたのは、どこの誰なのか?
「お前が言うな!」と感じるのは私だけだろうか。
※ 「企業が儲けてもらい、税収を…」の部分、その企業は輸出を狙う大企業なのか、それとも地元密着の中小企業、町工場なのか?
「強くて豊かな大阪」にあるように、シャープや松下を意識しているのでは?それなら生産拠点を海外に移し、輸出で儲けようとするので、お金はそれほど大阪に落ちないし、雇用もそれほど生まれない。 むしろ地元密着の中小企業を支援して、大阪府内で雇用が進み、内需も上がる方向で産業政策を考え直さないと税収は上がらないのだ。(鳴り物入りで呼び込んだシャープが、すでに大阪から逃げようとしているではないか!)
今後、日本がTPPに加入してしまえば、さらに大阪の中小企業や農家などは淘汰されてしまう。大阪府民、市民の生活を守ろうと思えば、政府に対してTPP加入に反対を表明することだろうし、中小業者への貸し付け制度の拡充や、公共工事の地元発注などではないか。
以上、維新の会マニフェストの総論部分を批判的に検証してみた。大阪都構想のワンイシューで、さも「都になればすべて解決する」と叫ぶイカサマ詐欺師
橋下前知事の仮面を剥がさねばならない。「反ハシズム市民連合」である、ハシモトドオリの会を大きくして、「騙されない府民」を増やしていこう。

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このページは、nishitaniが2011年11月 1日 12:04に書いたブログ記事です。

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