ドバイでアフガン和平を考える

2月2日早朝5時半、予定通りドバイ国際空港に到着。機内の新聞で確認したところ、近々に、タリバンとカルザイ政権の間で和平会議が開催される見通し。場所はサウジアラビアの首都リヤド。記事によれば、カルザイは大分焦っているようだ。

なぜかというと、この間の和平プロセスは、米国とタリバンの間で進められて来た。カタールのドーハで、直接、両者の和平会議が開催される。カルザイはアフガン大統領というより、今や「カブール市長」のような存在となっていて、カブールを離れれば、ほとんどタリバン支配地域のような状況。
つまり現状のまま米国とタリバンが和平プロセスを続けると、おそらくカルザイの出る幕はなくなってしまう。

そんな中、カルザイとサウジが動いたようだ。サウジとパキスタンは80年代に、対ソ連のゲリラ戦で、アフガンに異常といえるほど介入した。タリバンにもサウジの金とパキスタンの武器が流れているはず。本来なら、サウジもパキスタンも、アフガンにタリバン政権が復活するのは歓迎のはず。でも実はそうでもないようだ。

それはおそらく米国との関係。このまま米国主導でアフガン和平が進むと、この両国は、影響力が相対的に低下するので、面白くないのではないか?
一方、カルザイ政権は「米国の傀儡」としてスタートしたが、カルザイ政権が全土を支配するどころか、徐々に影響力を低下させ、タリバンの復権が始まっているので、米国はじわじわとカルザイに見切りを付け始めたようだ。

どんな形であれ、和平プロセスが進むのは喜ばしいこと。舞台裏で、いろんな国の駆け引きがあるのは当然だ。今後、和平プロセスがカタールで進むのなら、米国と米国派の勢力が、アフガンを押さえにかかるということ。リヤドが巻き返していくなら、その背後にサウジはもちろん、中国、ロシアも絡んできそうだ。
いずれにしろ、今年は米国の大統領選挙がある。オバマにとって、「アフガンをスマートに幕引きできるか、否か」は、選挙結果に大きな影響を及ぼす。

戦争は始めるより終わらせる方が難しい。米国は財政危機で、イラク&アフガン戦争を今までのように続ける余裕はないだろう。かといって、未曾有の不況で米国内には大量の失業者がいる。失業を解消し、景気を上昇させるには、戦争、つまり軍需産業の活性化が必要だ。主なプレーヤーは、タリバン、米国、パキスタン、サウジ、カルザイ。脇役として、イラン、中国、インドなどの利害が絡む。ただし、この「アフガン劇場」には、戦争と貧困で苦しむ現地の人々は出てきそうもない。

ちなみに、和平会議のホストは、本当は日本がふさわしい。その理由は以前に書いた。もし「ちゃんとした日本政府」があったのなら、今頃東京で和平会議が開催されていただろう。

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このページは、nishitaniが2012年2月 2日 13:35に書いたブログ記事です。

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