ゴルジュマちゃんと再会

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写真は、カブール市内、パルワンドゥー避難民キャンプにて。氷点下の気温の中、子どもたちは素足にサンダル。女の子の指は氷のように冷たかった

2月4日、今日も朝から大雪。カブール市内ではあちこちに雪下ろしをする人々。雪下ろし用のスコップが店頭に並んでいる。今日も、まずはチャライカンバーレ避難民キャンプを目指す。
カブール市内ではそれほど降っていなかった雪が、キャンプに近づくに連れて吹雪になっていく。あっという間にほぼ視界ゼロ。そんな中、やはり今日も物乞い女性が国道沿いに座っている。それも今日は3人も。吹雪の中、通り過ぎる車に弱々しく手をさし出す。もし物乞いの中に優劣をつける「格付け機関」があれば、この女性たちは、世界で1、2を争うほどの悲惨な状況で「働いている」ことになるだろう。
吹雪の中、車を止めてインタビュー。
「夫は2年前に病気で死にました。ここにいつも朝から座っています。もちろん寒いです。でも他に何ができるって言うの?私には3人の子どもがいて、お金が必要なんです」。
隣には杖を持って座る女性。ブルカ越しに同じようにインタビュー。「寒くないですか?」「毎日ここに座っているの?」などと聞いているうち、ついにブルカの中で泣き出した。この人たちに幸せなときがあったのだろうか?この人たちは笑ったことがあるのだろうか?

チャライカンバーレ避難民キャンプで、ワキールと再会。米軍の空爆で左手を方から失ったゴルジュマちゃんの父親で、このキャンプのリーダーの1人。
ワキールの案内で、キャンプの中を見て回る。
「2年前に、お前たちからもらったテントシートだ。でもこの大雪で、シートが濡れて雨漏りがする。穴もあいているし、新しくて丈夫なテントシートが必要なんだ」。ワキールは、日本からの援助に感謝しながらも、「昨年は、どうしてテントシートを援助してくれなかったんだ」と責めてくる。まぁ、そう言うな、今年はちゃんとシートも買うから、となだめておく。

ワキールの「家」でゴルジュマちゃんと再会。もう11歳になって、ちょっと背も伸びたようだ。左手がないことで、いじめられていたが、今は学校に通っている。「ダリ語、算数、理科…、教科では何が好きなの?」と尋ねるも、「お金がほしい」。質問の意味を理解しているのかな?
ゴルジュマちゃんは、3年前自宅で食事中に米軍の空爆に遭い、3人の兄弟姉妹を失って、そして左手を肩口から切断した。6〜7ヶ月入院して、その後ワキールたち家族とともに、このキャンプに逃げてきている。
彼女も靴下なし、暖房なしの生活をしている。緊急援助物資としては、まず毛布、次にテントシート、そして資金が続けば石炭などだ。本日は祝日なので店は閉まっている。もう一晩、寒い夜を我慢してもらって、明日朝一番に、物資を購入して、配ることにしよう。

チャライカンバーレ避難民キャンプを後にして、次に訪れたのがパルワンドゥー、パルワンセ避難民キャンプ。ドゥーが2、セが3という意味なので、「パルワン地区2丁目、3丁目キャンプ」という語感になる。「おー、あの日本人が来たぞ!」。1人の男性が私たちの姿に気づき、人々がバラバラとでてくる。リーダーたちがサバウーンと私を抱擁し、祈ってくれる。
ここでも鼻水をたらし、震えている子どもが多数。「どの子も病気だ。風邪をひいているが、薬もないし、満足な食事もできていない」。リーダーが窮状を訴える。ここにもやはり毛布とシート、石炭などが必要だ。
子どもを撮影して気がつくのは、男の子は辛うじて靴を履いているが、女の子は素足にサンダルが多いということ。男尊女卑の傾向が強いアフガンでは、どうしても「男の子優先」になる。もちろんその男の子も震えているのだが。
5歳の女の子が震えている。ペラペラの民族衣装一枚に素足にサンダル。寒いなんてものじゃない。このまま雪が続いたら、命がつながるかどうかの瀬戸際。実は、このドゥーとセは、私有地にテントを建てていて、地主が立ち退きを迫っている。すでにいくつかのテントは撤去され、新たな場所に立て直した。近々に別の場所を探さないと、このキャンプごと壊される可能性があるのだ。アフガン政府は何もしないし、国連も見て見ぬふり。日本からの援助金50億ドルがあれば、すぐにでも新たな場所にちゃんとした仮設住宅ができるはず。いったい援助金はどこに消えているのだろう。

パルワンドゥーキャンプを出る頃ようやく雪がやみ、太陽が顔を出した。白い山に透き通るような青い空。絵はがきになるほど美しい景色に、薄汚れたテントと、異臭。戦争さえなければ、ここカブールは豊かな観光地として栄えていたはずだ。この景色が生かされないのは、大変もったいない。近い将来、この地に大勢の外国人観光客が訪れる日が来ることを祈る。


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このページは、nishitaniが2012年2月 4日 20:49に書いたブログ記事です。

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