「残酷」なテレビ生出演とたらい回しの教育委員会

生出演後 ブログ.jpg 生出演後、スタジオで記念撮影


8月13日午前7時、カブールの「1TV」へ。車に乗り込んでからも、アッサラームアライクム(おはようございます)ノーメ、マン、カクショー(私の名前は鶴笑です)などなど現地のダリ語で練習を繰り返す3人。阪野さんは、「拍手!」と書いたプラカードを用意している。鶴笑さん、三金さんは手の甲や肘に台詞を書き始める。付け焼き刃も甚だしい。
7時半、テレビ局に到着。厳重な警備を経て、スタジオ入り。
モーニングショー「グルボング」がすでに始まっている。昨日あいさつしたお兄さんがキャスターで、真剣に何やらしゃべっている。日本では、コメンテーターや芸人さんが横から意見を行ったり、笑いを取ったりして盛り上げてくれるのであるが、こちらでは冗談も笑いも全くなし。ただひたすら真剣にニュースを伝えていく。CM前のコメントに「ジャポーン」という言葉が何度か挟まる。「お笑い国際便」のことを紹介しているのだ。
CMに入った。急いで、高座にする机を運び込む。カメラの位置と3人の立ち位置を確認する。8時6分、2分遅れで本番スタート。
キャスターと通訳のサバウーンが何やらしゃべっている。おもむろにマイクが3人に向けられた。「アッサラームアライクム、アフガニスターン!!」3人がジェスチャーを交えて元気にあいさつ。無観客で、キャスターも無言なので、受けているのか、滑っているのか全然分からない。日本なら、ここで拍手が起こるのだが…。トップバッターの三金さんが風船で象を作り出す。場内は水を打ったように静まり返っている。♬チャラララララー♬見かねた鶴笑さんと阪野さんがBGMを口ずさむが、キャスターはやはり厳しい表情で三金さんの風船を見つめるのみ。
三金さんの風船アートが終わって、阪野さんのマジック。静寂の中、鶴笑さん、三金さんの心細げな「口BGM」だけが「堪忍して」とでも訴えるようにこだまする。
いつもと違う緊張感の中、最後に鶴笑さんの舞台が始まった。ニンジャと赤鬼を使ったパペット落語なので、言葉を超えて理解できる。しかし鶴笑さんもかなり勝手が違うのか、粛々と物語が進む。静寂の中の落語は「拷問」だ(笑)。
8時半、ライブ終了。楽屋で記念撮影。アフガンに落語家さんが来るのはおそらく初めてのことだろうし、さらにテレビに生出演だ。アフガンのお茶の間ではどんな反応だったのだろうか?
約1時間後、通訳の携帯にテレビ局から電話がかかってくる。日本大使館からだった。曰く「先ほど日本人らしき人たちがテレビに出てましたが、全然日本語をしゃべらなかったようです。本当に日本人が来ているのですか?」という問い合わせだった。
大使館の方もビックリされたに違いない。すぐに電話を入れて、この間のプロジェクトについて説明する。
午後からは小学校を訪問。あらかじめ公演の許可を電話で取っていたのだが、「正式な文書での許可がないと学校での公演は無理なのよ」と女性校長。出た!アフガン方式。「あの時はいい加減に『いいよ、いいよ』と言ったけど、本当にやって来たの?あなたたち」てな反応。彼女では判断できず、カブールの教育委員会へ。
教育委員会に行って許可を申請すると、まずは文部科学省へ行け、と言われる。カブール郊外の文部科学省に行くと、「文部科学省は市内中心部に移転した」。
おいおい、それならそうと早く言えよ!と怒りたくなるが、これもアフガン方式。気を取り直して市内の文部科学省へ。許可証の申請はスムーズに行くが、文科省からの文書を持って、元の教育委員会に戻って、最終許可証を申請する。1時間ほど待たされてようやく教育長が出てくる。曰く「少年の学校は許可するが、女学校はダメだ」「なぜ?」「お前たちが男だから」。
鶴笑さん、三金さん、阪野さん、私の中年親父グループは、「卑猥なおっさんたち」と判断されたのだ(笑)。この国では戦争が長引き、官僚主義が蔓延して、さらにはイスラム原理的な考え方が支配している。暑い中、待たされたあげくにこの返事。何はともあれ、最終の許可証をゲット。これで明日、小学校に行ける。明日のライブは、観客多数。熱い反応が返ってくるから3人もやりやすいだろう。疲れたので早めに寝ることにする。

 

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このページは、nishitaniが2014年8月13日 21:34に書いたブログ記事です。

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