nishitani: 2006年4月アーカイブ

ありがたいことに、あちらこちらで平和の講演会が開催され、そこでイラクの話をさせてもらっている。イラク戦争の様子をビデオで紹介し、パワーポイントを使って「戦争の民営化」や「アメリカのダブルスタンダード」などについて語ることにしている。
こんな風になってもう2年になるが、よく尋ねられるのが「それで私たちは何をすればよいのでしょう?」という質問だ。
劣化ウラン弾やクラスター爆弾で傷ついた人々に募金をすること?戦争反対と外へ出てデモ行進に参加すること?小泉首相に「戦争に協力するな」と手紙を出すこと?…
それぞれ大事なことだし、できる人から始めればいいと感じるが、私は2つのことを提案している。
一つは「関心を持ち続け、情報を取り入れる努力をすること」。例えば「みなさまのNHK」は、地上波では劣化ウラン弾の特集を組んだことがない。意識的にこの「アメリカの犯罪」については報道しない方針のようだ。だから「劣化ウラン弾」という言葉は聞いたことがある人は多いかもしれないが、それによって殺される人々の映像などは、ほとんど目にした事がない人が多数だ。イラク戦争から3年。世界的にも批判の対象になっているこの「悪魔の兵器」を一切報道しないわけにはいかない、と感じるのか、NHKは衛星放送で、しかも深夜に、こそっと報道する。本来なら夜8時から10時頃のゴールデンタイムに、それも地上波で報道すべきであるが、まぁ報道しないよりマシだ。
だから衛星放送を受信できる方は、それをDVDに録画しよう。そしてそのDVDを職場や学校で「回して」鑑賞するのだ。そんな工夫をしなければ、この日本でアメリカの犯罪についての報道に接することができない。夜7時から10時頃まで、この国のテレビは、吉本かクイズ番組か、野球中継か、全てのチャンネルが同じような報道だ。テレビを「のんべんだらり」と観ているだけでは、「大切な情報」は手に入れることができない。
二つ目は「簡単にだまされないこと」。
9.11事件そのものが「怪しい」と言われ始めて久しい。「ボーイングを探せ」に詳しい映像が示されているが、3機目の、ペンタゴンに当たったとされるボーイングは、非常に怪しい。衝突現場のペンタゴンからは、ボーイングの翼もエンジンも出てこないし、何より乗客の遺体も出てこない。衝突でできた穴はボーイングより小さいし、穴からは燃え残ったパソコンが見えている。
つまり、ペンタゴンに衝突したとされるボーイングは、最初から飛んでいなかったか、大西洋にでも沈められて、ペンタゴンで小規模な爆発を起こし、あたかもアメリカの権力の中枢が狙われたかのような演出をした、という疑いが濃い。
そう考えると最初の2機も怪しい。なぜあの巨大なビルが「ビル解体業者が壊したかのように」見事に崩れ落ちたのか?どうして飛行機が当たらなかった3番目のビル、WTC7がこれまた「ビル解体業者が壊したかのように」崩壊したのか?
9.11はテロリストがやったのか、アメリカ政府の自作自演なのか、それともまた別の組織がやったのか、おそらくその種の情報が、これから駆け巡るだろうが、おそらく真相が明らかになることはないだろう。アメリカ政府にとっては、ビンラディン、ザルカゥイ、それに続く「テロリスト」は、ずっと「脅威でいてほしい」からだ。
戦前、大本営発表を鵜呑みにしていた国民は、「日本は勝っている」と信じていた。関東大震災で「朝鮮人が井戸に毒を入れている」というデマを信じて、多くの「自警団」が朝鮮人を殺害した。最近では有事法制が国会で議論されているとき、テレビに映っていたのは「白装束」とアザラシの「タマちゃん」だった。
さて、次はどの手でくるだろうか?権力者が、国民をだましたくなるとき、それは間違いなく憲法の「国民投票」が実施されるときだろう。

5月の連休に日本を発って、カタール経由でヨルダンのアンマンまで行くことにした。今まで使っていたUAEのドバイ経由のエミレーツ航空よりも、ドーハ経由のカタール航空のほうが2万円程度安いのだ。因みに、大まかな金額を言うと、関空〜ドーハ〜アンマンで、航空運賃が9万円程度。エミレーツだと11万ほどする。ところが、実際に支払うのは、この運賃プラス約2万円。「何でそんなに追加せなアカンの?」
と尋ねたところ、「原油が値上がりしています」との答え。
イラク戦争、中国の輸入超過と、色んな原因があるが、原油価格の高騰がモロに影響している。
おそらく、この間の原油高騰で産油国であるサウジ、そしてメジャー(石油資本)は大もうけしているはずだ。石油、軍需産業の番頭である、ブッシュやチェイニーは、内心大喜びしているのではないか。
イラクは内戦状態だ、といわれる。先日バグダッド在住のワリードに電話をかけたらつながった。妻が出てきて、ワリードは留守だった。通話状態が悪かったので、状況を詳しく聞けなかったが、「今が最悪」と妻は語っていた。
バグダッドは、かつてのバグダッドではなくなってしまったようだ。「あいつがスパイではないか」「こいつらが誘拐犯では?」 疑心暗鬼。人々の心の中に「信頼」が消え、「恐怖」が植えつけられている。
富裕層はすでにバグダッドを脱出しているようだ。貧困層で、「食べるものにも事欠く」イサーラちゃん母子が、バグダッドを脱出できるか。
5月の15日頃にアンマンで出会う予定なのだが…。

現在、アンマンに滞在している「アラブの子どもと仲良くする会」の西村さんから、モハマド君の近況を伝えるビデオが届いた。白血病の薬を飲み続けていたので、化学治療の副作用なのか、彼はポッチャリと太っていた。3月に、バグダッド北方、タールミーヤの自宅がアメリカ軍の空爆に遭って、その模様をモハマド君の父親が携帯で撮影し、それをビデオカメラで取ったものが送られてきたのだ。
彼の実家には大きな穴が開いている。その破壊された家の前で、中年のおじさんが血相を変えて何やらアラビア語で叫んでいる。おそらく「アメリカの野郎が空爆しやがった。俺の家を見てくれ」といった内容だろう。そして彼の叫びの後に、5歳くらいの少女が現れた。汚れた服の右腕の部分がぶらぶらしている。この空爆で右手を失ったのだ。次に携帯カメラは、彼女の腹部を映し出す。大きな手術跡。爆発の破片が突き刺さって、それを除去したのだ。
この少女はモハマド君の従妹だという。今、アメリカとイラク新政府はスンニ派地域を狙い撃ちにしているようだ。モハマド君自身もスンニ派のため、新政府からは公的な援助金が出ない。アメリカが使用した劣化ウラン弾による被害であることは明らかだというのに…。