nishitani: 2012年7月アーカイブ

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6月27日の株主総会に出席した。ちょっと古くなったが、会場で見聞きしたレポートです。


昨年に続き、関電の株主総会に出席した。今年は午前中に仕事が入っていたため、午後からの出席となった。株主総会で出された脱原発提案は、ことごとく否決された。以下、当日午後の模様をリポートする。

6月27日午後1時、会場になった「梅田芸術劇場」に到着。劇場入り口には、放射線防護服を来た若者がマイクを握り、脱原発を訴えている。若者の周囲には、「悪魔のエネルギー、原発は全廃せよ」「関西を第2のフクシマにするな」などのプラカード。ざっと見渡して、百人程度の「脱原発を求める市民」と50人程度のガードマンたち、背後には公安警察とおぼしき人々。市民側は太鼓やタンバリンなど、音楽を使って抗議するが、無愛想なガードマンが立ちはだかるので、全体的には物々しい雰囲気。
「抗議集会」を撮影してから、入場。橋下大阪市長は、午前中にやってきて、意見を述べて帰ったと聞く。間に合わなかったか、残念。

第1会場の最前列近くにもぐり込み、議事を見守る。ちょうど会社側の提案(1、2号議案)が終わったところで、脱原発派の株主たちが提案(3〜30号)の趣旨説明を行うところだった。
会社側の議案は、事業報告と取締役の改選。あの東電でさえ役員を16名にして人件費の圧縮を図っているのに、関電は18名、そして経産省からの天下り、迎陽一氏を今年も引き受けている。この迎氏は朝日新聞の「プロメテウスの罠」にも「原発推進派」で登場した人物。会長の森詳介氏、社長の八木誠氏などと一緒に壇上に鎮座している。1号議案によると、取締役の報酬が7億6800万。報酬月額7千5百万を超えないこととする、などと書かれている。
おいおい、日本で一番原発を進めて来て、計画停電をお願いする「失敗経営者」たちのくせに、よーそんな高額報酬をもらえるなーとまず、あきれてしまう。

「お前たちの報酬は全て、福島の被災者へ寄附せよ!」と思っていたら、案の定26号議案「天下りの禁止」が提案された。提案者は大阪市代理人の河合弁護士。曰く「政府の資源エネルギー庁のトップが東電に天下った。関電も天下りを受け入れている。こうした官民の癒着、もたれ合いで原発を推進してきた。この事故を受けて、体質を改善せよ」。
大阪市は筆頭株主である。当然の提案だが、採決ではこれを否決。動員された会社側の株主が一斉に否決に動く。

第13号は「八木社長の解任」だ。提案者は反原発グループ。「関電はずっと原発は安全だ、と言ってきた。これは『原発安全詐欺』であり、いわば「詐欺師がトップに居座る企業」だ。再稼働して事故があった場合、誰が責任を取るのか?割腹して詫びるのか?私財を全部被災者に投げ出す覚悟はあるのか?」と気合い十分な追求。しかし議長の森会長は、粛々と採決に移り、当然のように否決していく。

その後も関電は「エッ、こんなこともできないの?」という態度を徹底させていく。例えば株主総会の議事録の公開。東電も「福島原発事故直後の政府とのやり取り映像」を公開しないが、関電も全く同じ体質だ。監査役も取締役が横滑りしていくので、この企業体質にメスを入れない。
この後、オール電化詐欺、従業員へのパワハラ、差別待遇など、「公益企業」とは名ばかりの閉鎖体質が明らかになっていく。

第14号はストレステストについて。「意見聴取委員会の委員」(御用学者)が三菱重工など原発推進企業から献金を受け取っている。審査する側とされる側が「原子力ムラ」の村人同士だ、との鋭い指摘。NUMOや日本原燃など原子力の外郭団体は、お互いが理事、役員になっていて、原発安全神話を垂れ流して来たのだ。

17号は「再処理からの撤退」。この事故を受けて、核燃料サイクルがいかに危険で採算が合わず、巨額の浪費になっているか明らかになった。高レベルガラス固化体は、一本で広島原発30発分の放射能を出す。六ヶ所村で50年間貯蔵した後、最終処分も決まっていない。六ヶ所のある下北半島にも活断層が走っている。津波が来る可能性もある。再処理工場は、当初700億円で作る予定が、2兆1千億に膨れ上がって、まだ技術が未完成。いち早く撤退すべきであるが、これも「反対多数」で否決。
会場から質問が飛ぶ。「大飯原発にはF6活断層が走っている。この活断層に付随して破砕帯がある。再稼働の前にもう一度調査せよ」
この当然の懸念に対しても関電は「あれは活断層ではありません」。
ちゃんと調べたのか!ボーリングしてないやろ!のヤジが飛ぶが、「議事進行!」の声とともに、粛々と提案が否決されていく。

京都市、神戸市も誠実に脱原発提案をしていくが、関電はことごとく否決していく。京阪神の自治体が誠意を持って、何百万人もの市民の声を代弁して、提案しているのに、ほとんど議論もないまま否決されていく。
「あなた方はね、地域独占なの。ずっと殿様商売だった。総括原価方式で電気代を決めて来たから、無駄遣いしても取り戻せる。つまりね、あなた方経営陣は、経営手腕がなくてもつとまるわけ。何でこんなに報酬もらうの?せめて個別に森さん、清水さんの報酬を開示しなさいよ」。大阪市の河合弁護士が迫っていくが、「報酬は個別には開示しません」の一言で終わり。
全体的に見て、大阪、京都、神戸市が奮闘する中、「役所以上に役所的」な関電の不誠実な対応が目立った。

最後の方で、女性株主が「大阪市さんの提案はごもっとも。ではなぜ橋下市長が再稼働を容認したの?」と質問。関電に主な問題があるのだが、結果的に橋下市長が助け舟を出した形になったことに、割り切れなさが残るのだった。

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