nishitani: 2018年10月アーカイブ

2年前に毎日新聞に書いたコラムです。北イラクのスレイマニア市郊外にアラバット避難民キャンプがあって、そこでのインタビューです。戦争と性暴力はセットですね。南スーダンでもコソボでも、アフガンでも。

毛布を配布した後、テントを訪問していく。避難民の1人ザハリーさん(50)にインタビュー。2014年8月、シリア・イラク国境の町シンジャルに「イスラム国」がやって来た。彼らは男性に村から出ろと迫り、抵抗した人々を殺害した。次いで、多くの女性を誘拐し、連れ去っていった。「イスラム国」兵士の性奴隷にするためだ。なぜ「イスラム国」がシンジャルの村を襲ったか?それは村人たちがヤズディー教徒だったから。「イスラム国」兵士たちは異教徒なら何をしても許されると信じ込んでいる。
「私の親族26名が人質になっています」。ザハリーさんが両手指を折って26という数字を示す。(写真)そのほとんどは女性だろう。「イスラム国」は兵士をリクルートする際に「給料を支払う」という宣伝文句と共に、「兵士になれば妻を与える」と言っている。そんな「奴隷妻」の供給地としてシンジャルを襲ったのだ。「ヤツらをイスラム教徒だと思わないでくれ。俺たちイスラム教徒にとって『イスラム国』はとても迷惑な存在だ」。ファラドーンが吐き捨てるようにつぶやく。ザハリーさんの背後で高校生くらいの娘が微笑んでいる。「逃げきれてよかったね」「うん」。英語は通じないが、気持ちは通じたようだ。


米軍が去った後、「イスラム国」がティクリートにやってきた。恐怖政治が始まった。米軍の空爆や機銃掃射では逃げなかったが、「イスラム国」からは逃げざるをえなかった。米軍の空爆は一瞬、「イスラム国」の恐怖政治は24時間、365日。2003年から始まったイラク戦争の結果がこの事態である。

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