ハッサンレポート 2005年05月x日

掲載日:2005年10月11日

大きな監獄

しばらく前、イラク南部の「バック監獄」で拘留者たちが、米軍の監視から逃れ、脱獄するために180メートルものトンネルを掘った。

監獄はイラク人拘留者で一杯だ。他のグループは留置場で受けたひどい扱いと、彼ら自身の保護を求めて、暴動を起こした。この暴動で、拘留者の何人かは米軍に撃たれ、死傷した。このニュースは、南部イラク人権省のメディ・アリ・ティミーミ代表によって確認されている。このような暴動を引き起こすさまざまな要因がある。例えば、派閥や政治信条の違う何千もの拘留者に対して、留置場が非常に狭い。拘留者の両親や親族は、バスラにあるアメリカ領事館前で、何の罪もなく1年以上も捕らえられている息子達の釈放を求めて、座り込んでいる。米軍はこれらのケースを落ち着かせるわけでもなく、イラク裁判所に移送するわけでもない。さらに、この巨大監獄には一筋の光も差し込まない。アブグレイブ刑務所のように有名になったわけではないが、ある日、ひとりの囚人が死んだのだが、誰も彼の死因を特定できないのだ。これはこの監獄の暗部を示している。

イラク警察留置場の拘留者について言えば、囚人達は極めて不便な生活を強いられている。4メートル四方の小さな房に例えば15人の囚人が詰め込まれている。囚人達の多くは自動車による自爆テロの危険に晒されている。つまりイラクでは拘置所の中でさえ、安全ではないということだ。多くの裁判が未解決だ。なぜなら殺害するぞと脅された判事が、裁判を延期し、被告人のさらなる拘留をもとめるからだ。これは明らかに、サダムフセインの長く待ち続けている裁判との関係で、引き起こされている。イラクの判事たちは、サダムの裁判に関わるのを避けている。なぜなら、多額の報酬と見返りにもかかわらず、(参加することによって)判事達の生命を奪いかねないからだ。監獄は何人かのテロリストを収容している。しかし圧倒的多数はあらぬ疑いで閉じ込められた囚人だ。

テロリストを摘発しようとすれば、彼らとの本格的な戦闘は避けられない。ここでの米軍は、治安や平和維持に対して熱心に取り組まないので、時としてそうしたことに無頓着である。彼らは毎日殺されていく子ども達に関心を払わない。子を失った母親や、道路に流れ落ちた血に全く心を動かさないのだ。ユーフラテス川は病院からあふれ出た死体が浮かぶ場所になった。爆発や拷問によって、あまりにも死体損傷が激しいため、息子であるかどうかが確認できない母親達を見てきた。病院はけが人で一杯だ。監獄についてももまた、希望なき状態だ。このような状態が一体いつまで続くのだろうか。