ブラックライブズマター 運動とアンゴラ・ドレイ博物館

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黒人死亡割合.jpg先月2

先月25日、米国のミネアポリスで黒人男性のジョージ・フロイドさん(享年46)が警官に首を押さえつけられて窒息死した。米国では毎年1千人以上が警官に射殺されていて黒人は白人の2倍、撃たれている。そして今回の事件のように、「拘束時に警官によって容疑者が死亡」する事例は、人口100万人あたり白人が0,9人に対して、黒人は3,66人。(グラフ)フロイドさんはコロナ禍で失業していて、ニセ20ドル紙幣を使ったという容疑で逮捕、そして殺された。「黒人の命は20ドルなのか!」。弟さんが議会で証言、その怒りは「BLACK LIVES MATTER」(黒人の命も大切)というスローガンになって全米から世界へと広がり日本でも大きなデモが行なわれた。

事件のあったミネソタ州は、実は米国の中ではリベラルであって、民主党が強い。前回の大統領選挙もヒラリークリントンがトランプを下している。さらに言えば、元難民でソマリア出身の女性議員イルハン・オマルが当選したのもこのミネソタ州である。つまり黒人差別が根強いといわれる南部の州はもちろん、比較的リベラルな北部の州でもこのような事件が起きてしまうのである。

「黒人青年が母から言われた16のやってはいけないこと」という動画がネット上に上がっている。南部ヒューストン在住で18歳のキャメロン・ウェルチさんが投稿したものでその内容は①手をポケットに入れてはいけない②パーカーのフードをかぶってはいけない③シャツを着ないまま外に出てはいけない④一緒にいる相手がどんな人か確認する。たとえ路上で会った人でも⑤遅い時間まで外で出歩かない⑥買わないものを触らない⑦たとえガム一つでも何かを買ったらレシートかレジ袋なしで店を出てはいけない⑧誰かと言い争いをしているように見せてはいけない⑨身分証明書なしに外に出てはいけない⑩タンクトップを着て運転してはいけない11ドゥーラグ(頭に巻くスカーフ)をつけたまま運転してはならない12タンクトップまたはドゥーラグを巻いて出かけてはいけない13大きな音楽をかけて車に乗ってはいけない14白人女性をじっと見てはいけない15警察に職務質問されたら反論してはいけない。協力的でありなさい16警察に車を停止させられたら、ダッシュボードに手を乗せて、運転免許証と登録証を出してもいいか、と尋ねなさい。

ウェルチさんは「こんな社会を変えなければいけない」と思い動画を投稿したという。

警察に車を止められたら、日本では胸ポケットから運転免許書を取り出して差し出す。米国の黒人男性が同じことをすると危険だ。警官たちが「胸ポケットに隠した拳銃で撃ってくるかもしれない」と誤解し、先に銃撃する可能性があるのだ。したがって、まず両手を上げて争わない意思を表明し、「免許証は胸のポケットにあります。どうぞ取ってください」と言わねばならない。警官と黒人男性の緊張関係がずっと続いているのは、根強い黒人差別とともに、米国が銃社会であることが問題である。ニューヨークタイムズ紙によると、2018年末の時点で全米には3億丁の銃があり、年間で約4万人が銃で命を落としている。スーパーマーケットで銃が売られていて、その値段は戦争にも使われるアサルトライフル(自動小銃)で1500ドル(約16万円)、ピストルで200ドル(約2万2千円)だ。米国では毎年のように中学校や高校で銃乱射事件が起きて、尊い若者の命が奪われている。だから国民が立ち上がり、「日本のように銃のない社会を」と銃規制を求め続けている。この国民運動を押さえつけて大統領以下、国会議員にロビー活動を行い、銃規制をさせないようにしているのが、全米ライフル協会だ。トランプ大統領はこの全米ライフル協会から巨額の献金を受けている。だから高校での銃撃事件直後にトランプは「先生にも銃を持たせろ」などとツイートし、銃規制とは真逆の政治を続けている。米国は戦争中毒国家で、大量の武器を生産してきた。アフガンやイラクの紛争地では、かつて主流だったロシア製のカラシニコフ銃が、今や米国製のM16銃に切り替わっている。「テロとの戦い」を名目に戦争を続け、武器を作りすぎてあまった銃が、米国の一般市民に入る。「誰が銃を持っているかわからない社会」を取り締まる警察官も恐怖に襲われるのだろう。だから「正当防衛」を隠れ蓑にして先に発砲するのではないか。

最後に「根強い黒人差別」について一言。

私はアフリカ中西部のアンゴラで「奴隷博物館」を取材したことがある。15〜17世紀の大航海時代、ポルトガル人がアンゴラにやって来る。彼らは弓矢や銃で人々を襲い、首輪や手錠で拘束した後に(写真)、船にギューギュー詰めにしてブラジルへ送った。アメリカ大陸に「輸出」された世界初の黒人奴隷はアンゴラ人だったのだ。サッカーの神様ペレやレゲエのボブマーリーなどのルーツはアンゴラの可能性が高い。

地図を見てもらえればわかるが、アンゴラの首都ルアンダからブラジルのサルバドールまで一直線。つまり夜空に浮かぶ星や月の位置から緯度がわかるので、西へまっすぐ進めばブラジルに到着できる。奴隷たちはなぜブラジルへ送られたのか?

それはコーヒーと砂糖。当時のヨーロッパではコーヒー文化が栄え、砂糖は貴重品だった。そしてブラジルのさとうきび畑では深刻な人手不足に陥っていた。

なぜ労働力が不足していたのか?スペインやポルトガル人が原住民のインディオを虐殺したから?確かに虐殺もあった。しかし決定的な要因は虐殺ではなくヨーロッパからの天然痘だった。新大陸にない伝染病がポルトガル人や黒人奴隷とともにやってきた。そして免疫を持たないインディオたちがバタバタと倒れ、南北アメリカは「土地はあるが人はいない」状態だった。「奴隷貿易」で巨万の富を得たポルトガルは我が世の春を謳歌する。「無料で略奪」した大航海時代から400年が経過した。今、その命は20ドル!である。BLAK LIVES MATTER 運動は、反トランプ運動に昇華している。米国は「ポケットに手を突っ込んで、タンクトップで散歩できる社会」に変わらねばならない。トランプ打倒を叫ぶ米国市民と連帯して、私たちは「トランプの下僕」である安倍政権を打倒しなければならない。

5日、米国のミネアポリスで黒人男性のジョージ・フロイドさん(享年46)が警官に首を押さえつけられて窒息死した。米国では毎年1千人以上が警官に射殺されていて黒人は白人の2倍、撃たれている。そして今回の事件のように、「拘束時に警官によって容疑者が死亡」する事例は、人口100万人あたり白人が0,9人に対して、黒人は3,66人。(グラフ)フロイドさんはコロナ禍で失業していて、ニセ20ドル紙幣を使ったという容疑で逮捕、そして殺された。「黒人の命は20ドルなのか!」。弟さんが議会で証言、その怒りは「BLACK LIVES MATTER」(黒人の命も大切)というスローガンになって全米から世界へと広がり日本でも大きなデモが行なわれた。

事件のあったミネソタ州は、実は米国の中ではリベラルであって、民主党が強い。前回の大統領選挙もヒラリークリントンがトランプを下している。さらに言えば、元難民でソマリア出身の女性議員イルハン・オマルが当選したのもこのミネソタ州である。つまり黒人差別が根強いといわれる南部の州はもちろん、比較的リベラルな北部の州でもこのような事件が起きてしまうのである。

「黒人青年が母から言われた16のやってはいけないこと」という動画がネット上に上がっている。南部ヒューストン在住で18歳のキャメロン・ウェルチさんが投稿したものでその内容は①手をポケットに入れてはいけない②パーカーのフードをかぶってはいけない③シャツを着ないまま外に出てはいけない④一緒にいる相手がどんな人か確認する。たとえ路上で会った人でも⑤遅い時間まで外で出歩かない⑥買わないものを触らない⑦たとえガム一つでも何かを買ったらレシートかレジ袋なしで店を出てはいけない⑧誰かと言い争いをしているように見せてはいけない⑨身分証明書なしに外に出てはいけない⑩タンクトップを着て運転してはいけない11ドゥーラグ(頭に巻くスカーフ)をつけたまま運転してはならない12タンクトップまたはドゥーラグを巻いて出かけてはいけない13大きな音楽をかけて車に乗ってはいけない14白人女性をじっと見てはいけない15警察に職務質問されたら反論してはいけない。協力的でありなさい16警察に車を停止させられたら、ダッシュボードに手を乗せて、運転免許証と登録証を出してもいいか、と尋ねなさい。

ウェルチさんは「こんな社会を変えなければいけない」と思い動画を投稿したという。

警察に車を止められたら、日本では胸ポケットから運転免許書を取り出して差し出す。米国の黒人男性が同じことをすると危険だ。警官たちが「胸ポケットに隠した拳銃で撃ってくるかもしれない」と誤解し、先に銃撃する可能性があるのだ。したがって、まず両手を上げて争わない意思を表明し、「免許証は胸のポケットにあります。どうぞ取ってください」と言わねばならない。警官と黒人男性の緊張関係がずっと続いているのは、根強い黒人差別とともに、米国が銃社会であることが問題である。ニューヨークタイムズ紙によると、2018年末の時点で全米には3億丁の銃があり、年間で約4万人が銃で命を落としている。スーパーマーケットで銃が売られていて、その値段は戦争にも使われるアサルトライフル(自動小銃)で1500ドル(約16万円)、ピストルで200ドル(約2万2千円)だ。米国では毎年のように中学校や高校で銃乱射事件が起きて、尊い若者の命が奪われている。だから国民が立ち上がり、「日本のように銃のない社会を」と銃規制を求め続けている。この国民運動を押さえつけて大統領以下、国会議員にロビー活動を行い、銃規制をさせないようにしているのが、全米ライフル協会だ。トランプ大統領はこの全米ライフル協会から巨額の献金を受けている。だから高校での銃撃事件直後にトランプは「先生にも銃を持たせろ」などとツイートし、銃規制とは真逆の政治を続けている。米国は戦争中毒国家で、大量の武器を生産してきた。アフガンやイラクの紛争地では、かつて主流だったロシア製のカラシニコフ銃が、今や米国製のM16銃に切り替わっている。「テロとの戦い」を名目に戦争を続け、武器を作りすぎてあまった銃が、米国の一般市民に入る。「誰が銃を持っているかわからない社会」を取り締まる警察官も恐怖に襲われるのだろう。だから「正当防衛」を隠れ蓑にして先に発砲するのではないか。

アンゴラ ドレイ写真.jpg最後に「根強い黒人差別」について一言。

私はアフリカ中西部のアンゴラで「奴隷博物館」を取材したことがある。15〜17世紀の大航海時代、ポルトガル人がアンゴラにやって来る。彼らは弓矢や銃で人々を襲い、首輪や手錠で拘束した後に(写真)、船にギューギュー詰めにしてブラジルへ送った。アメリカ大陸に「輸出」された世界初の黒人奴隷はアンゴラ人だったのだ。サッカーの神様ペレやレゲエのボブマーリーなどのルーツはアンゴラの可能性が高い。

地図を見てもらえればわかるが、アンゴラの首都ルアンダからブラジルのサルバドールまで一直線。つまり夜空に浮かぶ星や月の位置から緯度がわかるので、西へまっすぐ進めばブラジルに到着できる。奴隷たちはなぜブラジルへ送られたのか?

それはコーヒーと砂糖。当時のヨーロッパではコーヒー文化が栄え、砂糖は貴重品だった。そしてブラジルのさとうきび畑では深刻な人手不足に陥っていた。

なぜ労働力が不足していたのか?スペインやポルトガル人が原住民のインディオを虐殺したから?確かに虐殺もあった。しかし決定的な要因は虐殺ではなくヨーロッパからの天然痘だった。新大陸にない伝染病がポルトガル人や黒人奴隷とともにやってきた。そして免疫を持たないインディオたちがバタバタと倒れ、南北アメリカは「土地はあるが人はいない」状態だった。「奴隷貿易」で巨万の富を得たポルトガルは我が世の春を謳歌する。「無料で略奪」した大航海時代から400年が経過した。今、その命は20ドル!である。BLAK LIVES MATTER 運動は、反トランプ運動に昇華している。米国は「ポケットに手を突っ込んで、タンクトップで散歩できる社会」に変わらねばならない。トランプ打倒を叫ぶ米国市民と連帯して、私たちは「トランプの下僕」である安倍政権を打倒しなければならない。

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